訪米直前のインドで流れた「失神デマ」

中国政府の公式発表によると、習主席は1953年の6月生まれで現在73歳です。上背はあるし恰幅もいいですが、身体のどこかに問題があるのでしょうか。

今回、世界のメディアが習主席の一挙手一投足をウオッチしたのにはわけがあります。訪米直前のこと、一部で習主席の健康不安説が流れたのです。

訪米の10日余り前の9月12日、習主席は新興国が集うBRICS首脳会議に出席するため、インドを訪問しました。ホスト国であるインドのモディ首相が、冒頭演説を始めて間もない時、モディ首相は演説を中断しました。そして、5メートルほど左手に座っていた習主席に向かって、英語でこう声をかけたのです。

「Is it OK?」

つまり「大丈夫か?」と気遣ったのです。その時、習近平氏の様子が映像に流れなかったこともあって、さまざまな憶測が飛び交いました。習主席が首脳会議中に「失神した」「また脳卒中で倒れた」という情報です。「アメリカと並ぶ」ともいわれる中国で、自らに権力を集中させてきた習主席が倒れたとなれば一大事ですが、真相はどうだったのでしょうか。

実は、これはデマでした。インドのモディ首相の演説の場面に戻ると、首相は確かに10秒あまり演説を止めました。どうやら、習主席が耳に付けていた同時通訳を介したイヤホンの調子が悪く、聞こえなかったようです。それでモディ首相が習主席の方を向いて「Is it OK?」と確認したというのが真相です。

のちに、インドの外務省やメディアがさまざまな映像や静止画を公開して、デマを打ち消しました。「倒れたはず」の12日の翌日である13日も、習主席がインドで活動する様子が確認されています。一方で、デマの一つとして、BRICS首脳会議中に習主席が苦しそうに顔をゆがめる写真もネット上で出回りましたが、これはAIで加工されたものであることが確認されています。