猫も街並みも記録する 視聴者も一緒に“冒険”へ

撮影した時には予想していなかった映像が、本編放送後に大きな意味を持つこともある。

日曜劇場『VIVANT』第2シーズン 第13話より 山本巧(迫田孝也)

その一つが、迫田孝也が演じる、丸菱商事の社員でテントのモニター(協力者)だった山本巧が登場する前作の再現シーン(#13)だ。JR豊橋駅(愛知県)およびその周辺での撮影は、わずか1~2時間。山本さんは夜遅くにスケジュールを見て気付き、慌てて新幹線に飛び乗ったという。その後、本編で山本巧が話題になると、「ここは視聴者が見たいはず」とV_Logでも大きくフィーチャーした。

「奇しくも僕自身も同じ『山本』なので、山本界の価値を上げたのか下げたのかは分かりませんが(笑)。完成間もない本編を見て、『ここは視聴者が絶対に見たい裏側のはずだ』と思ったところは、想定以上に膨らませています」

乃木とアリ、乃木と元公安部外事第4課の諜報員でテントのモニター・新庄浩太郎(竜星涼)の尋問シーンのように、俳優の熱量がぶつかる場面では、過度な説明を加えず、芝居そのものをできるだけ生かす。気づけば20分、25分を超える回が生まれ、「皆さんの頑張りやお芝居を、あまりカットしたくないんです」と山本さん。

日曜劇場『VIVANT』第2シーズン 第18話より 左から)チョッキー(オーム・タナパック)、ノコル(二宮和也)、アリ(山中崇)

最新の#18でも、ベキ、乃木の命の恩人でジャミーン(本間さえ)の父親・アディエル(Tsaschikher Khatanzorig)、テントの最高幹部・バトラカ(林泰文)の回想シーンや、複数の言語が飛び交うテントの作戦会議、新たな現地エージェントたちの撮影に密着。タイの有名実業家・チョッキー・テーパーニットを演じるOhm-Tanapak(オーム・タナパック)の初挑戦など、本編の展開とともに新たな“裏側”が記録されている。

アゼルバイジャンで出会った猫(撮影:山本伸さん)

一方で、緊張感あふれる撮影の合間には、海外の街並みや現地で出会った猫も登場する。動物を撮るのが好きな山本さんが何げなくカメラを向けていたものだが、V_Logにちょっとした紀行番組のような味わいを与えている。

「一番の命題は、『VIVANT』をより深く知って、もっと好きになってもらうこと。その中で、視聴者の皆さんにも僕らと一緒にロケ地を冒険しているような気持ちになってもらえたらと思っています」

俳優たちが見せる芝居の熱量。最先端の技術と地道な作業で作品を支えるスタッフ。数千人が動く大規模撮影。そして、ロケ先で偶然出会った人や動物たち。山本さんのカメラが約1年かけて拾い続けたのは、本編だけでは見えない『VIVANT』のもう一つの物語だ。

休憩するラクダ(撮影:山本伸さん)

本編の物語から少し離れる放送休止期間。『VIVANT-Adventure Log-』を見れば、今度はその物語が生まれた撮影現場へと、“もう一つの冒険”に出られるはずだ。