酒蔵での実用化試験と今後の課題

研究は実験室にとどまらず、酒蔵でも行われた。日本酒造組合中央会と薩摩酒造の協力のもと、薩摩酒造の明治蔵で、麹米60キロ、サツマイモ300キロを使った大規模な試験を実施した。

ただし、実際の焼酎造りに近い規模で行うこの実験では課題もあった。短時間で作った麹は酵素の働きが弱いため、発酵が緩やかになってしまうという。そのため今回の実規模試験では、糖化などを助ける酵素剤を補って検証が行われた。

結果として、腐造することなく発酵は無事に進み、アルコール濃度は通常と同程度に達した。

現場の職人ら12人によるブラインドテストでも、盛り麹や仲仕事麹でつくった焼酎には「フルーティー」「花のよう」「バナナやライチ」といった評価が寄せられ、実際の製造現場でも通用する技術であることが証明された。