“未完成の麹”を使ったらどうなる?常識を疑う“好奇心”

芋焼酎の製造において、味や香りの土台となるのが「麹(こうじ)づくり=製麹」だ。通常、蒸した米に種麹菌を接種し、温度や湿度を管理しながら約43時間かけて「出麹(でこうじ)」と呼ばれる完成状態まで育てる。

鹿児島大学の定例記者会見(9月24日)で発表する髙峯和則教授

業界では古くから「しっかりとした良い麹を作ることが、良い酒質につながる」というのが常識だった。

髙峯教授らは「製麹時間を短縮した麹で焼酎を仕込んだらどうなるのか?」と純粋な好奇心から疑問を抱いたという。

使ったのは“完成品”の「出麹(でこうじ)」になる前の麹だ。

左から「盛り麹(19時間)」、「仲仕事麹(23時間)」、「仕舞仕事麹(27時間)」、「出麴(43時間)」


髙峯教授らのグループは、第1段階の「盛り麹(もりこうじ・19時間)」、第2段階の「仲仕事麹(なかしごとこうじ・23時間)」、第3段階の「仕舞仕事麹(しまいしごとこうじ・27時間)」という、いわば“未完成”の短い時間で引き上げた麹を用いて芋焼酎を仕込んでみた。

すると、いま市場で大注目の「香り系焼酎」が誕生してしまったのだ。