長崎の暮らし経済ウイークリーオピニオン。今週のテーマは長崎の…というより全国的な動きで、気になっている方も多いと思います。インボイス制度について平家 達史NBC論説委員とお伝えします。
今年10月スタートインボイス制度とは?

【住吉 光 キャスター】確かにインボイスという言葉は最近ニュースなどで耳にする機会が増えたような気がします。
【平家 達史NBC論説委員】インボイス制度についてくまなく説明するとなると、このコーナーの持ち時間ではとても足りませんので、25日はこの2点に絞って、簡略化して見ていきたいと思います。

一つは“インボイス制度とは何か” ──
もう一つは “制度開始で何が変わるのか” です。
インボイス制度とは何か
非常に単純化して言いますと──

・事業者の消費税納付に関する新たなルール
・消費者に直接的な影響はなし ということになります。
【住】私たち消費者に、何か『新たな義務や負担が生じる』わけではないということですね?
【平】はい、消費者ではなく、個人事業主を含む “すべての事業者” に影響がある制度です。
そして、インボイス制度を理解するには、“消費税の仕組み”について知る必要がありますので、まずはそこから見ていきます。
例えば、住吉さんがお店で1万円の洋服を購入したとします。

この場合に “住吉さんが支払う消費税” はいくらですか?
【住】現在の消費税率は10%ですから1,000円ですよね?
【平】はい、このように消費者は物品を購入する際に消費税を負担しています。
そして消費税を受け取って国や地方自治体に納付するのは “事業者の役割” なんです。

ですが、お店はこの1,000円をまるまる納付するわけではなくて、製造業者や問屋から“仕入れる際に支払った消費税”を差し引いた額を納付する仕組みになっています。

つまり、お店がこの洋服を8,000円で仕入れていたとすると、お店が “仕入れ先に支払う消費税”は800円になりますので、お店は “住吉さんから受け取った消費税” 1,000円のうち、“仕入れ先に支払った” 800円を差し引いた『200円を納税』することになります。
【住】なるほど、消費税の仕組みについては分かりましたが、これがインボイス制度とどう関わってくるのでしょうか?