32年ぶりの国内開催となった愛知・名古屋アジア大会の開会式が19日、行われる。総監督としてすべての演出を取り仕切るのは、ドラマや映画で数々のヒット作を生み出してきた演出家・堤幸彦だ。
その独自のスタイルから“奇才”とも称される堤は、70歳というタイミングで大きな国際イベントの演出を任された巡り合わせについて、照れくさそうに、しかし熱を込めて語る。
「光栄ですよね。それはもう、ありがたや。王道・正統な演出家ではないと思うので、そんな私に飛び道具みたいなお任せをしていいんですかねと、自分でも『大丈夫ですか?』と聞きながらやっていたけど。でも、見たことのないものを作る時代性みたいなものを要求されていたのかもしれない」
1999年に中谷美紀主演で話題を呼んだ刑事ドラマ「ケイゾク」、2000年に脚本・宮藤官九郎、長瀬智也主演でブームを巻き起こした「池袋ウエストゲートパーク」、そして劇場版やスピンオフも作られた2010年放送の「SPEC」など、コミカルとシリアスが交錯する「堤ワールド」で時代を席巻してきた。映画でも人気漫画が原作の「20世紀少年」(2008年公開)をはじめ、約40年間で61作品を制作。年間平均1.6本という驚異的なペースで映画を撮り続けている。

撮影現場では次々とアドリブを加え、現場で作品を作り上げていくのが堤流だ。なぜそれほどまでに働き続けるのか。
「何かを見つけたい。毎回見つかってはいるんだけど、石を収集しているみたいなもので『何か足りないんだよな』と。その都度全力投球なんですよ。もうこれ以上できない、これ以上面白いものを作れないと思うんだけど、作り終わってみると『もうちょっとできたな』と反省する。反省しなくていい作品を撮ったら死んじゃうのかもしれない」
あくなき挑戦を続ける70歳が、今回初めてセレモニーの演出を手掛ける。
「1回しか見られない。編集してセリフを入れ替えたり、音楽を入れ替えたりはできない。そういうことばかり何十年もやっていると、本当にこういう舞台は楽しい」

















