得点王・今井拓人選手が「サッカーをあきらめかけた」理由

いまや全国から選手が集まるようになった岡山学芸館ですが、今大会では地元出身の選手たちがチームの中心となりました。

岡山県の小学生大会に出場していた、キャプテンの井上斗嵩選手(3年)。このあと倉敷市のクラブチームで今井選手と岡本選手と出逢いました。

FWの今井拓人選手(3年)、今大会の得点王は、かつてサッカーをあきらめかけたことがあったといいます。

(FW 今井拓人選手)「サッカーをする環境もなくなりましたし、できる状況でもなかったので、このまま続けていいのか、というのは考えました」

今井選手は倉敷市真備町出身。中学生の時、西日本豪雨で自宅が甚大な被害を受けました。大切なサッカー用具も水に流されました。

(FW 今井拓人選手)「本当につらかったです。初めてそのような光景を見たので。お母さんもお父さんも家を見たとき辛そうで涙を流していました」

折れそうになった心…手を差し伸べてくれたのは、クラブチームの仲間たちでした。

(DF 井上斗嵩主将)「拓人の気持ちを考えたら本当に悲しいと思っていたし、何か力になってあげたかったので」

(FW 今井拓人選手)「メッセージとかで支えてもらったりもしましたし、被災地に来て片付けを手伝ってくれたり、そういう時に助けにきてくれ、メンバーと3年間頑張って全国の舞台で日本一になれたのは最高の思い出になりました」

今井選手「プロサッカー選手になって海外で活躍したい」

今井選手たち3人が出逢ったクラブチーム「ハジャスFC」です。優勝から3日後、3人が恩師のもとを訪れました。

(ハジャスFC・花田雄二総監督)「仲間同士の絆が強い学年だったので、そこが一番今井選手にとっても支えになったのかなと思います。3人が本当にスタメンでここまでのことをやったということは本当にすごいというか安心しました」

(MF・岡本温叶 選手⦅3年⦆)「このハジャスFCで過ごした3年間がなければ、絶対に今の自分たちがいないと思うので本当に感謝しています」

(FW 今井拓人選手)「プロサッカー選手になって海外で活躍するような選手になりたい。サッカーで勇気や希望を与えらえれるような選手になれたらいいなと思います」

優勝の先には新しい景色が広がっていました。日本高校サッカー選抜の候補が発表されました。岡山学芸館からは17歳以下の部門も含めて7人の選手が候補に選ばれ、静岡県で行われた合宿に参加しました

(DF 井上斗嵩主将)「レベルの高い選手たちが集まるので、そこで経験を積んで、色々なことを見て学んで吸収して、次に生かしていきたい」

(高原良明 監督)「とにかくレベルの高いメンバーと一緒にプレーできるので、そこでどれだけ自分をアピールできるのか。チャンスは自分でつかむものなので、しっかりとチャンスをつかんでほしい」

岡山県のサッカー史に、新たな歴史を刻んだ岡山学芸館。支えてくれた人々への感謝の思いを力に変えて新たな歴史に挑みます。