全国高校サッカー選手権大会で全国制覇を果たした、岡山学芸館サッカー部。岡山県勢初となる快進撃の原動力となったのは、共に戦う仲間やチームを支えてくれた人々への「感謝」の思いでした。

全国制覇に岡山の街は沸きあがった「こんなにも応援してくれていた」

(岡山市北区表町商店街 1月15日)
「おめでとう!」

その快挙に、岡山の街は沸きあがりました。100回を超える全国高校サッカー選手権大会の歴史で、岡山県勢として初めて打ち立てた金字塔。初優勝でした。

(FW 今井拓人選手)「本当に感謝しかないです」

(DF 井上斗嵩主将)「こんなにも応援してくれていた…」

サッカー部発足当時、部員は10人ほど「ダブルスコアで負けていた」

岡山学芸館高校サッカー部の専用グラウンドは、学校から7キロほど離れた瀬戸内市にあります。

現在は100人を超える部員が、レギュラー目指してしのぎを削っていますが、1988年の発足当時の部員は、チームが何とか組める10人ほどでスタートしました。

サッカー部の初代監督、野崎元彰さん(72)です。

(サッカー部初代監督 野崎元彰さん)「Jリーグが発足する前で、今のようなサッカー熱がない状態でした。サッカーが好きな生徒が何人かいて、『サッカー部をぜひ作ってください』というなかで立ち上げた。素人集団じゃないけど、試合に出場しても得点もダブルスコアで負けていた。」

全国制覇に導いた高原良明監督 選手に求めてきたことは「人間力」

サッカー部発足から今年で35年。チームを全国制覇に導いたのが高原良明監督(43)です。

(高原良明監督)「自分がゲームに出たい、という強い思いを持たないと、国立のピッチに立っているのとスタンドで応援するのは大違いだ、と感じたと思う」

福岡県出身の高原監督は、J2昇格前のファジアーノ岡山で選手としてプレーしながら、サッカー部を指導していました。

(高原良明監督)「(サッカー部に就任当時は)雑草が生えている中に、ちょっと土の広場があるというような、一切何もないようなところで荷物を運んで、選手も空き地で着替える、というようなかたちでやっていたので」

チームは、2016年度に初めて選手権大会に出場しました。指導を通じて選手に求めてきたことが「人間力」です。

(高原良明監督)「基本的な部分は『人間教育』だと思っている。人としてしっかりと立ち振る舞いができるのかということと、高校生なので学校生活をまず第一に考えてプラスアルファの部活動と選手に伝えています」