制約を逆手にとる。日本発のスペパビジネスが世界へ
comugi:実は、国の方針にも変化がありました。2026年3月に閣議決定された新しい「住生活基本計画」で、これまで単身世帯で25平方メートルとされていた「最低居住面積水準」が削除されたのです。また、住宅ローン減税の床面積要件も、中古物件で50平方メートル以上から40平方メートル以上に引き下げられました。こうしたルールの変更が、良くも悪くもスペパの流れを後押ししている側面は否めません。
野村:ただ、自由競争に任せすぎると、「ニーズがあるのだから、どんどん狭くしてもいい」となって、居住環境そのものが悪化していかないか、という懸念もありますね。
comugi:そこは本当にコントロールが難しく、国も考えなければいけないところですね。ただ、見方を変えれば、日本は国土が狭いからこそ、その制約の中で工夫することに長けてきた国でもあります。例えば、福岡の株式会社シノケンプロデュースという建築会社は、日本の極小スペースで快適に住宅を建てるノウハウや、「コリビング(Co-Living)」のようにリビングを共有する仕組みを、住宅価格が高騰しているオーストラリアに展開しています。
野村:その工夫は輸出できそうですね。パッと思い浮かんだのは香港です。国土が狭く、日本以上に不動産価格が高騰していますから、「狭くても快適に暮らせる」技術は重宝されそうです。
comugi:そうですね。100円ショップの「100円」という価格の制約や、ガチャガチャ(トイカプセル)の小さなサイズの制約など、日本は制約の中で新しいものを生み出すビジネスが非常に特徴的です。今回の「スペパ」も、物理的な土地の制約から生まれたカルチャーとして、今後のビジネス開発の大きなヒントになるはずです。限られた資源やスペースをどう生かすか、ぜひ考えてみてほしいですね。
<聞き手・野村高文>
Podcastプロデューサー・編集者。PHP研究所、ボストン・コンサルティング・グループ、NewsPicksを経て独立し、現在はPodcast Studio Chronicle代表。毎週月曜日の朝6時に配信しているTBS Podcast「東京ビジネスハブ」のパーソナリティを務める。














