原発の町で文献調査…住民は「実感がわかない」

文献調査は、これまでに国内4つの自治体で実施。常陸大宮市で実現すれば、本州で初めてとなる。

今まさに文献調査が行われているのが、佐賀県玄海町だ。人口約4500人、調査を行う自治体で唯一、原発が立地している。

財政に余裕はあったが2024年、地元の団体が文献調査の受け入れを求め、当時の町長が手を上げた。

玄海町 脇山伸太郎 町長(当時・2024年5月)
「(玄海町の受け入れが)最終処分事業への関心が高まるのにつながり、国民的議論を喚起する一石となればとの思い」

町民の八島一郎さん。当初は戸惑いもあったというが、原発で働いていたこともあり、最終処分場の必要性を感じているという。

八島一郎さん
「もう文献調査は始まっている。賛成とか反対とかいう話じゃない。文献調査の報告書がいつ出るのか、どういう内容になるのかというところ」

そもそも玄海町は地下に鉱物資源があり、ほぼ全域が“好ましくない地域”とされている。

だが、最終処分事業を担うNUMO(原子力発電環境整備機構)は、「鉱物が存在しないエリアが確認できる可能性はある」としている。

町民の疑問を解消するために設けられたのが「対話を行う場」だ。八島さんはこの実行委員会の委員長を務めている。

これまでに6回開催し、のべ120人ほどが参加したが、町民の関心は薄れていると話す。

八島一郎さん
「文献調査をやったから、そこへ作るというわけでも全然ない。(文献調査のあと)概要調査、精密調査、20年かかるって言うんですよね。だから、なんか現実的じゃない」

「概要調査」に進んだ場合、地質調査などでさらに4年。その先の「精密調査」には14年程度かかるとされている。

町の人たちは。

玄海町民
「実感わかない。生きている間に実現するとかしないとかっていう感じ。今から色々決まっても」

玄海町民
「『原発があるからしょうがないんじゃないか』みたいな人も多分いる。反対の人もいるけど、若い人はそんなに関心ないんじゃないか」

文献調査を受け入れた前町長を7月の選挙でやぶり、就任した日高大助町長。交付金20億円は、防災センターの新設にあてる計画だ。

玄海町 日高大助 町長
「原子力災害が起きたときは、放射性物質が入ってこないような形で考えて建てていこうかなと」

一方で、20億円の交付金については複雑な思いものぞかせる。

玄海町 日高大助 町長
「文献調査を受け入れるだけで20億円っていうのは、ちょっと大きくないかという話も(国の議論で)あったみたいで、“お金を出すから受けてくれないか”みたいなところは、ちょっとどうなのかなと」

概要調査に進めば、さらに最大70億円の交付金が支給される。進む考えはあるのか聞くと…

玄海町 日高大助 町長
「文献調査の報告書が、まだ上がってきていないので、今の段階で概要調査に進むかどうかはちょっと判断できない」

――20億円もらってるから断りづらいとかは

玄海町 日高大助 町長

「いや、それはない。(地元の)意見を尊重しなければならないとなっている。断りづらいとかそういうのは考えたことない」