調査受け入れのメリットは「お金の問題」

政府が動きを見せたのは、8月31日だ。

赤沢亮正 経産大臣
「本日、茨城県常陸大宮市に文献調査の実施に関する申し入れを行わせていただきました」

「核のごみ」とは、原子力発電で生じる高レベル放射性廃棄物のことで、放射能レベルの高い廃液を溶かしたガラスと混ぜ合わせ、容器の中で固められている。

放射線量が十分に下がるまで10万年もの年月が必要なため、処分施設を建設し、地下300メートルより深い場所に閉じ込める必要がある。

今回、政府は常陸大宮市に対し、最終処分地を決定するまでに3段階ある選定プロセスのうち、第1段階にあたる「文献調査」を申し入れた。

火山や活断層などの記録をもとに、安全性などに問題がないか調査するもので、応じると最大20億円が交付される。

常陸大宮市を候補地とした根拠のひとつとなるのは、「科学的特性マップ」。活断層の有無などをもとに、最終処分地の適性を示した地図だ。

常陸大宮市は市内全域が、「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い地域」に分類されている。特に南東部は「輸送面でも好ましい」とされている。

調査受け入れのメリットを聞かれた鈴木定幸市長は。

常陸大宮市 鈴木定幸 市長
「ちょっとドライな表現になってしまいますけれども、お金の問題なのかなという感じはしますね」

交付金が市の財政に必要だと訴えた。

常陸大宮市 鈴木定幸 市長
「市民のみなさま方から、『このままでは常陸大宮市は50年後はなくなってしまうんじゃないか』と。急激な人口減少、あるいは地域経済の疲弊、そんなことを考慮いたしますと、やはり、国策に貢献する意義というものは少なからずあるんだろうと、私は考えております」

常陸大宮市で取材を進めると、今回の一件について「準備は以前から進んでいた」という証言を聞くことができた。