AI開発企業の北京智譜華章科技と稀宇科技(ミニマックス)に対する空売り残高が、決算発表を前に過去最高に膨らんでいる。中国でAI開発競争が過熱する中、投資家の懸念の強まりを浮き彫りにしている。

S&Pグローバルのデータによると、空売り残高の浮動株に対する比率はミニマックスで20%、智譜で6%に達した。今年1月に香港市場に華々しく上場した両社の株価は上場来高値から急落したが、空売りは増えている。

AIモデル開発の専業企業として、上場しているのは世界で智譜とミニマックスだけだ。低コストながら高品質なAIで中国の評価が高まる中、両社は注目を集めた。ただ、アリババグループ、DeepSeek(ディープシーク)、ムーンショットAI(月之暗面)との価格や技術を巡る競争が激化し、投資家の熱気は冷めつつある。

BNPパリバ・アセット・マネジメントのグレーターチャイナ株式部門責任者、デービッド・チョア氏は「中国の低コストなオープンソースモデルにより、世界中で最先端AI機能を利用できるようになっている。各モデルの希少価値を巡る前提は覆されるかもしれない」と指摘。「モデル開発の速さやビジネスモデルの進化を踏まえると、現時点で長期的な勝者を見極めるのは時期尚早だと、われわれは考えている」と述べた。

1月の新規株式公開(IPO)以降、智譜の株価は800%超、ミニマックスも80%超上昇しているが、両社とも高値の半値以下に下落した。売りを誘った要因には、ミニマックスが6月にAIモデル「M3」を値下げしたことや、ムーンショットが7月に高性能モデル「Kimi K3」を発表し、智譜のAIモデル「GLM」にとって脅威となったことなどがある。

智譜が最近投入した「GLM-5.3」も株価の押し上げにはつながっていない。ただ、ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループのアナリストらは、タスク当たりのコストが「Kimi K3」より約19%低い一方、同等の性能を提供すると指摘している。

中国本土の投資家は両社に積極的な買いを入れているが、株価はまだ反発していない。香港取引所のデータによると、本土と香港の株式市場を結ぶ「ストックコネクト」の対象となってから3カ月足らずで、智譜株における本土投資家の保有比率は12%に上昇。ミニマックスの比率も対象に加わってからわずか2週間で8.1%に達した。

ディープシークは8月上旬、予想に反して値上げに踏み切ったが、業界の収益性にどのような影響を及ぼすかは不透明だ。

ミニマックスが26日遅く、智譜が31日に発表する決算は、両社が課題にどう対処してきたかを示す手掛かりとなる。ブルームバーグがまとめたデータによると、智譜の上半期売上高は前期比約153%増が見込まれる一方、調整後純損失は拡大すると予想されている。

ヘッジアイ・リスク・マネジメントのテック部門責任者、フェリックス・ワン氏によると、投資家は価格競争への懸念を強めており、智譜の価格や利益率の上昇を阻む要因となっているという。ミニマックスについては、同社製品は「最も高性能でも、最も安いモデルでもない中途半端な位置にとどまっている」と述べた。

原題:Record Short Bets Hit China’s AI Model Duo on Fierce Competition(抜粋)

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