阿部寛さんからの応援…夫婦で泣いた 

その時、がんと分かってから初めて夫が泣いた姿を見た。

余命宣告を受けた時にも涙一つ見せなかった夫が、声を上げて泣いていた。

「阿部さんがファイト!って書いてくれたんだよ!」夫婦で大号泣した。

「こんなありがたいことはない。こんな奇跡がおこるんだ。力をもらったから頑張らないと」

夫は「体力をつける」と言って、その日から毎日1時間、家の周りでウォーキングを始めた。
敦子さんはヒヤヒヤしたというが、久しぶりに力が湧き出ている夫の姿を見た。

「家宝にする」ハガキが夫の生きる力に


「家宝にする」と良典さんは宣言した。


「額縁を用意して」と言われ、敦子さんはポストカードサイズの白い枠のものを探してきた。

それに入れたら「阿部さんに失礼だろ。阿部さんにふさわしいのはゴールドだ。ゴールドの額を探してきてくれ」と言われた。

近所を探しても見つからなかったから、ネットで取り寄せた。

ゴールドの枠に納められたサインを見て、満足気な表情を見せた夫は「ありがたすぎて自分の頭より下に置きたくない」と言い、部屋の高いところに置いていた。

阿部さんのサインは、夫の生きる力になっていた。

3月には家族で出雲大社に参拝でき、4月には地元の桜を見に行くこともできた。

「今年も桜を見られて良かった。来年はもっとゆっくり見たいなぁ」そう話していた。