うどん店で見かけた光景と、よみがえる「かけうどん」の記憶
なんて、半世紀も前のことを思い出したのは今週月曜日、仕事帰りに某大手うどんチェーンに寄った帰りでした。
店に入って、うどんを注文してトレイに乗せて、空いた席に座ろうとしたら、隣の年配の女性が申し訳なさそうに「すみません、そこ取ってます」と言われて、近くの席に移ったんですが、その後でした。娘さんかお孫さんか、若い女性が「かけうどん」を一つだけ持って、ふたりの間に置いて、また席を離れて、つゆとかを入れる容器三つに、無料の天かすとネギ、ワカメをいっぱい入れて戻ってこられて、うどんは一つを二人で分けて、トッピングをいっぱい添えて食べ始められて――。
で、思い出したんです。あのクイズ大会の前日の夜を。テレビ局の招待ですから往復とも飛行機で、宿も大阪市内の高級ホテルでした。うちは飲み屋をやっていたので母は休めず、付き添ってくれたのは母の妹でしたが、初めての土地で、晩御飯をどこに食べに行っていいかもわからず、ホテルのレストランに行ったんです。そしたら、値段の高いのにびっくりして、サラダだけ頼んで、晩御飯を済ませました。叔母はその後、私が高校に合格したすぐ後に脳溢血で急死して、私は今も外で美味しいものを食べると、「私が社会人になるまで元気でいてくれたら」と、申し訳なさを感じるんです。
で、うどん屋のお二人です。昔「一杯のかけそば」という話があって、あれは後にフィクションだと分かるんですが、こちらの「かけうどん」は実話です。もしかしたら、あまりお腹がすいてなくて1杯しか頼まれなかったのかもしれませんが、でも、トッピングの量を見ると(無料のトッピングをたくさん取るのはどうか、という意見もあるかもしれませんが)、本当に申し訳なさそうに座っていらっしゃった年配女性の姿を見ると、私はとてもそんな(注意をする)気にはなりませんでした。 店を出て、中3の夏を思い出して、家に帰って仏壇の母と叔母に手を合わせました。「ごめんね、苦労ばかりかけて」と。














