9月に愛知・名古屋で開幕するアジア大会。男子卓球で金メダルを期待されるアスリートがいる。松島輝空(そら)、19歳。世界ランキングは、日本男子トップとなる3位まで上り詰めた。
「自分の中に才能はあると思うか」という問いに、松島は間髪入れずに「もちろん」と自信をのぞかせる。「相手がどんなに強くても『いけるでしょ』『強いと思わない』くらいの感覚で行く」と力強く語る彼だが、卓球という競技に対する思いは一風変わっている。

「今でも楽しいって思ってないですよ、卓球は。ただ夢があるから、それに向かって頑張っている」
今シーズン、松島の勢いは止まらない。2026年1月の全日本選手権・準決勝では、日本のエース・張本智和(23)との直接対決を4-3で制し、2025年に続き撃破。さらに世界最高峰の大会「USスマッシュ」では、海外の強豪を破って男女通じ日本勢初となる快挙の優勝を果たした。
「エースとしてやらないといけないのはあるけど、自分の中では全く考えてない。考えたら負けだと思っている。自分のスタイルのまま、今まで通り気負わずに行く」
自身を冷静に見つめる19歳に対し、4歳年上の張本も「ポテンシャルの塊というか、努力もする選手ですけど何より素質は羨ましい」とその才能を認めざるを得ない。卓球王国・中国も「張本をも凌駕する脅威」「世界トップの仲間入り」と警戒を強めている。
密着5年。若きエースのルーツを探ると、卓越した環境と壮絶な歩みがあった。

















