「みんなばらばら」民泊開発で失われた地域の絆

林さんの知人が開発した黒壁の真新しい家が並ぶ場所。ひとりの男性が立ち尽くしていた。岡本昇さん(85)。
岡本昇さん
「せっかく家を持てたのになと思って。(借りていた)土地が売れたんだったら、しかたない」
この一帯にはかつて古い長屋が立ち並んでいた。

6年前、地主が土地を売却したことで事態は一変する。所有者が中国出身の男性が経営する不動産会社に変わり、一気に開発が進んだ。

住民は全員立ち退きとなり長屋は取り壊され、現在は黒壁の一戸建てが19軒建ち「特区民泊」に姿を変えた。
岡本昇さん
「(Q.ここに住んでいたときは近所付き合いはあった?)みんなで一緒に旅行に行っていた」
「(Q.皆さんばらばらになった?)ばらばら、みんなばらばら」
約50年前、土地を借りて念願の自宅を購入した岡本さん。

近所の映画館で映写技師として働きながら、妻や3人の娘と暮らしてきた。
しかし、土地の持ち主が変わり、地代は4倍以上に。3年前、立ち退き料などに納得し賃貸アパートへ引っ越した。
岡本昇さん
「今、借りているアパート」
家賃は月4万5000円。妻と2人、身を寄せ合って暮らしている。
岡本昇さん
「隣近所の付き合いがなかったら寂しい。話し相手もいないし、子どもの声も聞こえないし、さびれていった街やなと思ってね」

岡本昇さんの妻
「前の家の時はよかった。わりと広くて、お花もいっぱい置いて。ここはもう、お花も置けないし、楽しみがなくなって、本当に寂しい」














