水泳教育の新しい形「プールシェア」

こうした中、大田区の小中学校では「プールシェア計画」が進められています。
拠点校に屋内プールを新しく作り、1キロ圏内の小中学校のプールの授業をそこで行うという取り組みです。
暑さに左右されることなくプールの授業が実施できる上、インストラクターを配置することで教員の負担軽減にもつながると言います。
大田区教育委員会事務局 小野澤行平担当課長
「教育の内容が増えてきたり変化していく中で、屋内の温水プールを使えると計画的にできる。また、自校のプールじゃないところは維持管理の必要性がないんですね。
先生方の負担が軽減するということは、その時間を子どもたちに向き合う時間に使えますので、一番大事なところはここだと考えています。」
現在、この拠点校を使用したプールシェア計画には43校が参加しています。
他にも、民間プールや区民プールなどを活用するなど、様々な計画が進められています。

プールシェアには、コスト面でもメリットがあります。
大田区には築年数の古いプールが多く、今後も使用するためには老朽化対策が必要です。
試算では、80年間利用すると想定した場合、既存のプールを維持・管理するのに17.1億円かかりますが、プールシェアにすると、拠点校の新しいプールの建設費・インストラクター費・施設利用料などを合わせて6.5億円なので、1校あたり10億円以上のコスト削減になります。
水泳指導法を研究 日本大学 野口智博教授 :
素晴らしい取り組みだと思います。
実は体育館にエアコンを一気に設置するときにも予算が嵩みます。
このプールの事例から、これから体育館やグラウンドなどのスポーツ施設をいろいろな学校が合同で使うなどの発展系が見えてくるんじゃないかと期待しています。

プールシェアは全国でも広がっています。
◆東京都葛飾区
今年度から小学校28校でプールシェアを実施
さらに区営の屋内温水プールの新設案も
◆石川県小松市
今年度から小学校9校が民間のプールを活用
◆福岡県太宰府市
2025年度から小学校全7校が民間のプールを活用
屋外のプールを解体して学童保育所を整備予定

プールシェアの今後の課題として、野口教授は以下の点を挙げています。
▼利用する学校同士の時間調整
▼施設まで移動する際の安全確保
▼インストラクターなどの指導者不足
プールシェア以外の水泳授業も

スポーツクラブ「ルネサンス」は、6年前から民間委託を開始し、2025年には全国で135校の水泳授業を受託・指導しています。
水泳授業を担当する、ルネサンスの吉成太紀さんは
「屋内のプールならば年間を通して水泳授業ができる。
学校の先生たちとコミュニケーションを取って、各学校やクラスの目指す教育に合わせたサポートをしていきたい」と話していました。














