2つの学校が統合されてできる倉吉市の新しい小学校名の問題。
市議会で、統合前の小学校の1つ「成徳小学校」に決まったことを受け、20日夜、統合準備委員会が開かれました。会では「これまでの議論が全部否定された」などとして、委員から解散要求提案書が出され、議論の末、委員会は終了しました。
倉吉市の成徳小と灘手小を統合してできる小学校の名前をめぐっては、市議会で条例が可決され一旦「至誠小学校」に決まりました。
しかし、住民団体が、市議会の前の段階の統合準備委員会で市民からの応募が150件あった「打吹」を抑えて、応募1件の「至誠」が選ばれたことなどを疑問視して、4800に及ぶ署名を添えて条例廃止を直接請求し、広田市長も苦渋の決断としてこの案に賛成。倉吉市議会が去年12月、条例廃止を可決したため、学校名は白紙に戻りました。
仕切り直しで開かれた統合準備委員会では、折り合いがつかなかった「至誠」と「打吹」を両方取り込む形で、「打吹至誠小学校」が新たな候補に選ばれました。
しかし、17日に開かれた臨時市議会では、議員2人が、最も多かった案とするのが市民の理解を得る道だとして「打吹」、別の議員7人が、新たな紛争になりかねないなどとして「成徳」とする修正動議を提出。急転直下、統合前の小学校の1つ「成徳小学校」にする条例案が賛成多数で可決されました。
20日夜に市役所で開かれた統合準備委員会には委員24人中17人が出席。市教育委員会や「成徳小学校」に賛成した議員がこれまでの経緯を説明しました。
委員からは「市教育委員会や市議会への不信感が増している」「地区に対する説明責任をしっかり果たしてほしい」などの意見が出され、中には涙ながらに訴える委員の姿も見られました。
その後、「委員会の3年間の議論が全部否定された」などとして灘手地区の委員の総意として、委員から「解散要求提案書」が出され、議論の末、委員会は20日付で終了しました。
新たな校章と校歌については、委員会として市教育委員会に一任することを決めました。
今後は両校で閉校式が行われ、4月1日に「成徳小学校」として新たに開校することになります。