公開前は“あらすじ不明” スラムダンク大ヒットの理由

連載が終わってから20年以上が経って映画が大ブームになる。いったい何があるのかを見ていきます。

【映画の戦略】公開前、ストーリーの情報は“ほぼゼロ”

ファンたちはSNSで…
「サッカーW杯より映画スラダンの内容の方が気になる」
「いろんな噂が飛び交っていて、何が本当かわからない…」
「公開まであと5日なのに未だ内容が公開されないって何なん?」

→気になって仕方がない人が続出

公開されてからようやく予告映像が公開されましたが、見ても全体のストーリーがわからないようにできているという仕掛けになってるんですね。

プロも絶賛 試合が超リアル「非現実的な描写が一切ない」

見た人のコメントからどうしてヒットしたのかを探ってみました。
「スラムダンクは私の青春そのもの。泣きっぱなしだった」
「5回目に行ったけど何回見ても面白いし、息切れするし、泣けるし、また見る」
「知識ゼロだったけど、映画が良すぎて漫画全巻購入して読み終わった。涙止まらなく感情がめちゃくちゃになる」


バスケットボールアナリスト・解説者 佐々木クリスさん
「非現実的な描写が一切なかった。試合中のユニフォームの浮き方、関節・筋肉の動き、選手の配置、戦術、時間の感覚など、年間数百試合を見ているが文句なしの完成度!」



成田 助教授:
井上雄彦さんは漫画家でアニメ監督ではないじゃないですか。だからアニメの質感というか動き方とかがアニメの王道とは少し違った感じがあるなっていう感じがしたんですよね。そのあたりの独自性もすごく強い作品だと思いました。

ホラン千秋キャスター:
漫画を読んでいなくて、しかも前情報が何もなくても見に行く人たちは何がきっかけだったのかなって。

成田 助教授:
全く新しい作品と見ることもできるし、漫画作品のアニメ化と見ることもできるみたいな不思議な作品だなと思いました。しかも漫画から逸脱してる部分とかちょっと違う部分とか細々あるんですよ。それによってノスタルジーを刺激するみたいな側面と、ノスタルジーを裏切るみたいなのが同時に存在してるっていうすごい離れ技となっていると感じましたね。

アジアでも大人気!韓国では公開2週間で100万人動員

山内キャスター:
海外でも異例のヒットになっています。韓国では公開2週間で100万人を動員しました。ソウルの書店にも特設ブースでコミックスが売られています。映画を見て宮城リョータのことが好きになり、パーマをかけたという方もいます。

韓国では漫画もアニメも販売されていますが、ちょっと違うところがあります。1992年から漫画が発売されましたが、名前が韓国名に変わっているんです。

▼桜木花道→カン・ベクホ
▼流川楓→ソ・テウン
▼宮城リョータ→ソン・テソプ


1990年代は日本文化の流入を厳しく制限している時代だったので、学校名も主人公たちの名前も韓国風になっていたということなんですね。