熊本県内では、今もおよそ3800人が避難所に身を寄せていますが、この数字に含まれない、自宅が被災しながらも避難所に行けないという人もいます。なぜなのか、取材しました。
震度7を観測した熊本県氷川町。
町の呼びかけ
「在宅で避難している方、少しでも不安を感じた時は、1人で我慢せず、遠慮なく避難所をご利用ください」
午前と午後の2回、防災無線で地域住民たちに避難所の活用が呼びかけられています。
記者
「住宅街の道路では、家の外壁が崩れて、道をふさいでしまっています」
この地域で被災した木村司さん(86)です。
自宅で避難生活 木村司さん
「飛ばされた。飛ばされて慌ててはって行ったけど、ちょっとしか動けなかった」
家族にけがはありませんでしたが、自宅は大きな被害を受けました。避難所に行くことも考えましたが、当初は車中泊、今は自宅で生活を続けています。
妻 エミコさん
「トイレが近い。避難所は団体でしょ。1人部屋というわけではないから、迷惑かけるから行かない」
また、耳が聞こえにくい夫・司さんと大声で会話することで、周囲の迷惑になるのではないかと、自宅にとどまることを選んだと言います。
こちらは震度7を観測した宇城市で被災した山口孝政さん(47)。靴店を営んでいますが、自宅兼店舗が傾きました。
山口孝政さん
「一番奥のシャッターは閉まったのですが、ここが地震で傾き、シャッターが閉まらなくなりました。よそに行きたくても、行けなくて」
シャッターが閉まらず、入り口は空きっぱなしの状態に。避難所に行きたくても行けない理由がここにあります。
山口孝政さん
「火事場泥棒。何件かあったと話を近隣者から聞いて」
店内には商品やパソコンなどの貴重品が残っているため、自宅を離れることができません。そのため、山口さんは両親とともに自宅の敷地内での車中泊避難を選びました。
山口孝政さん
「ガソリンをどのくらい使うか心配だったので、とりあえず窓を開けて」
山口さんの自宅は応急危険度判定で「危険」とされています。
熊本県は車中泊を含め、避難所に行かない選択をする人について、把握が難しく、物資などの支援が行き届きにくいことを課題としています。
熊本県 木村敬 知事
「戸別訪問などを重ね、しっかりと情報、必要な物資が届くように努めたい」
10年前の熊本地震では、死亡した275人のうち225人が災害関連死でした。
今、命を守るためのサポートが求められています。
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