(ブルームバーグ):韓国の金正官産業通商相は6日、半導体分野での中国の台頭を踏まえ、韓国が半導体メーカーの投資加速を後押ししなければ、同分野での優位性を失う恐れがあると述べた。
韓国の記者団体が主催したフォーラムで、金氏は「私が深く懸念しているのは中国だ」と指摘。中国が半導体産業に前例のない規模の資源を投入し、技術競争は激化しているとし、「中国のスピードは想像を超えているだけに、強い焦りを抱いている」と語った。
金氏は、世界のメモリー半導体市場は2020年代末までに約1兆ドル(約160兆円)規模へ拡大する見通しで、スピードこそ競争力を左右する要素になると指摘。半導体の顧客は一度採用した製品の供給元を変更することがほとんどないため、需要が急速に拡大する局面で市場シェアを失うわけにはいかないと述べた。韓国は現在、世界のメモリー半導体市場の約65%を占めているという。
さらに金氏は、政策担当者は、半導体企業の利益の分配について議論するより、企業が利益を再投資できるようにすることに注力すべきだと強調。「半導体ブームで得た資金を分配しようとすれば、韓国に残された最後の『金の卵を産むガチョウ』の腹を割くことになる」と発言。「これは分け合うための資金ではない。再び投資しなければならない資金だ」と語った。
さらに、中国政府は半導体産業に巨額の国家資源を投入しており、中国のメモリー半導体大手、長鑫科技集団(CXMT Corp.)は年間売上高を上回る規模の投資をしていると指摘した。韓国の半導体メーカーにはなお事業拡大のための資金力があるとし、政府は電力や水の供給などインフラへの投資を通じて支援すべきだとの考えを示した。
金氏は従業員のインセンティブ制度を営業利益と結び付ける動きについても批判。企業の所有者は株主であり、その利益が優先されるべきだと主張した。韓国は半導体産業の成功にとらわれ過ぎており、望ましい社会や経済体制の構築を、より冷静に考えるべきだと述べた。
金氏は「株主や投資家の利益に反する企業に、誰が投資し、株主になるだろうか」とし、「最終的にその結果を負うのは、企業の経営陣と従業員だ」と語った。
原題:Korea in Race to Keep Chips Edge as China Presses, Minister Says(抜粋)
--取材協力:Yoolim Lee.
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