「被害者だけが取り残される」止まった時間と見えない絶望
将太さんを襲った少年は逃亡したことで、未解決事件として長きにわたり捜査が行われました。真相が分からないまま長期間にわたり苦しんだ堤さん、そして家族が味わった胸の内を明かします。
(堤 敏さん)
「事件から10年10か月後の2021年・令和3年8月4日に、愛知県で逮捕されました」
「事件当時17歳、逮捕されたときは28歳になっていました。私たちにとって、この逮捕までの10年10か月、約11年間というのは、ほんとにつらく苦しい期間でした」
「息子の時間、私たち家族の時間は、事件の日から止まっていました」
「約11年間、未解決事件として扱われ、犯人が誰なのか、それ以上になぜ息子が殺されなければならなかったのか、その理由も何も分からない」
「怒りをぶつけるところがない、悲しみや苦しみを持っていくところがない。ほんとに、苦しいとしか言いようがないような期間でした」
「でも、この11年は、犯人が捕まらなかった期間、それだけではありません」
「これは被害者だけが取り残され続けた時間なんです。社会は動き、学校は新しい年度を迎えて、周りの子どもたちは成長していく。しかし、遺族だけは事件の瞬間に固定されたままです。頭の中はいっつも息子のこと、息子のことだけしかなくて、写真を眺めて動けない」
「体重は、事件後半年で15、6キロ落ちました。心と同様に体の不調も現れてくる。肝機能の低下、胃潰瘍、椎間板ヘルニア、顔面の神経は麻痺して顔が歪んでくる。歯はぽろぽろ抜け落ちて、このまま死んでしまうのかな、そうとも思いました」














