「俺の息子じゃ」一刻を争う現場での切実な叫び

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現場の異様な空気の中、一刻も早い救護を求める父親としての切実な思いと、その時の心境をこう語ります。

(堤 敏さん)
「息子は頭を北側に向けて、うつ伏せに、手当てらしいこともされずに1人で倒れていた。その息子の頭側に回って、

『将太、将太』

何回か名前を呼びました。

しかし返事がない...そのあとも何回も何回も『将太、将太』と、声はだんだん大きくなって、最後は叫ぶように名前を呼んでいました」

「倒れている息子の左手を握ると、指先が冷たくなっていました。それと同時に

『うわ、将太の指ってこんなに細かったんや、こんなにきれいにまっすぐやったんや』

と、そう思いました。

左を向いている首筋、触ると柔らかくて、温かかったんです」

「『うわ、温かい、すっごく柔らかい』そう思いました。あのときの指の感触、首筋のぬくもり、柔らかさは今でも私の手の中に残っています」

「そばにいた警察官から『こら、触るな』と怒鳴られもしました。

私は『やかましいわ、俺の息子じゃ』と怒鳴り返して、そのあとは周りに向かって

『救急車呼んだのか、救急車はまだか』

と、怒鳴ったり、呆然としたり、まったく現実感がないっていうか、体が固まるっていうか、(現場は)そんな空間でした」