「平日にラグビーができる場所を」批判を乗り越えたアカデミー設立

廣瀬の情熱は、学校の部活動の枠を飛び出していく。茨城国体終了後、「中学に上がるタイミングでラグビーをやめてしまう子が多い」という課題に直面した彼は、有志のコーチ陣とともに立ち上がった。

「茨城県出身のコーチたちが茨城国体を機にこれだけ集まったのだから、これで終わりにするのではなく継続して何かをやろうと話しました。中学世代のコーチと関わる中で、中学進学時にラグビーをやめてしまう子が多いことに気づいたんです。長く続けてもらうためには、小・中学生が平日に集まってラグビーができる環境を作らなければいけないと感じました」(廣瀬監督)

子どもたちに最高の環境でラグビーをさせてあげたい一心で、人工芝とナイター設備を備える私立水城高校へ直接プレゼンに赴き、グラウンドの使用許可を取り付けた。

さらに、地域の小学生チームを一校ずつ訪問。「選手を引き抜くためではなく、平日をサポートしたい」と丁寧に想いを伝えて回った。

当初は「教員なのにそんな活動をしていいのか」といった批判的な声もあったという。しかし、彼は笑って振り返る。

「何かを始めるとき、批判はつきもの。それよりも、目の前の子供たちが楽しんでラグビーをしてくれることが一番なんです」(廣瀬監督)

廣瀬が2026年までに送り出した卒業生は約70名。彼らは全国の様々な高校でラグビーを続けている。廣瀬が蒔いた種は、確実に全国へと根を広げているのだ。