「条例の必要性」三重県の知事に直筆の手紙

被害者支援の条例の必要性を感じた寺輪さんは、2018年の当時、まだ条例のなかった三重県の知事に対して、制定を要請する手紙を送りました。

(寺輪 悟さん)
「条例のある県とない県では、全く対応の仕方が違っていました。私はそれを聞いてびっくりしました。あって当たり前だと思っていたんです」

「ですから私はそれで前知事に手紙を書き、非公式で会っていただき、そして三重県は1年でいいものを作ってくれました。今でも『作ったからいい』というものではありません。切磋琢磨し、他県のいいところがあればそれを取り入れています」

さらに寺輪さんは、三重県の市と町にも直接出向き、被害者支援の条例制定を働きかけました。

「三重県の29市町全部回り、皆さん気づいていませんでした。犯罪被害者遺族、犯罪被害者がどういう思いで生活をしているのか。7,700万円をすぐもらい、それで傷は癒えていると思っています。そんなことはありません。ですから29市町の首長さんはみんな言いました」

『遺族にこんなことをやらせて申し訳ない。これは行政の怠慢だ。あとは私たちに任せてください』と

「知らなかっただけなんでしょうね、遺族の現状、被害者の現状を。殺人事件に特化した話を私はしていますが、殺人事件だけが突出した事件ではありません。いろんな事件があります」

「すべての事件に巻き込まれれば、その人にとっては一生引きずるトラウマになる事案なんです。事件に大きい小さいはありません。みんな心が傷つくんです」