変異株“XBB.1.5”日本で拡大? 強い感染力で免疫が効かない?
井上キャスター:
そんな中で変異株です。アメリカではXBB.1.5(オミクロン株亜種)が主流になりつつあります。
【アメリカ XBB.1.5(オミクロン株亜種)の割合】※米・CDCによる(1月11日公表)
▼12月3日までの1週間=2.3%
▼1月7日までの1週間=30.4%
▼1月14日までの1週間=43.0%
ニューヨーク州など北東部では新規感染者の8割以上がXBB.1.5で、ほぼ置き換わりが進んだと言われています。
WHOによると世界38国から5288検体の報告例があります。(2022年10月22日~2023年1月11日まで)
東京都でもわかっているだけで15件あります。(1月12日・東京都モニタリング会議)
もう既に日本に入ってきているわけです。

【XBB.1.5の特徴】
▼免疫逃避能力(免疫をすり抜ける力)
→これまでで最も高い
▼重症化・ワクチン効果
→十分なデータなし
▼1人の感染者が感染させる平均人数(実行再生産数)
→BA.5と比べ2.22倍(1月11日 厚労省アドバイザリーボード資料より)
▼中和抗体価(ウイルスからの防御力)
→BA.5と比べ最大59分の1(中国の研究機関論文より)
今後としては…
東京歯科大学市川総合病院 寺嶋毅医師「欧米の状況を見るとXBB.1.5は日本でも間違いなく広がる。現在の医療状況で拡大すると一般医療含めすべての患者の対応が難しくなる」
ホランキャスター:
どれくらいで新たな株の置き換わりは始まっていくんでしょうか?
松本主任教授:
アメリカの広がり方の勢いをみると、それが日本でも起こりうるとしたら、今は確認されているのが15件だとしても、1月後半に数%~10%ぐらい、2月に入れば半分近くぐらいまで…ということもあり得ます。今後も確実にこの状況を把握していった上で、どこまでXBB.1.5が日本国内で影響を出していくのか。的確に読み取っていかないといけないと思います。
井上キャスター:
広がっていくのは時間の問題だと思うんですが、松本先生もずっと求めていた、クリニックでもコロナ患者を対応するようにできないかとか、入院基準をデルタ株のものではなくて今の衰弱死を何とか防ぐことにできないのかとか。変わっていく予兆はありそうですか。
松本主任教授:
残念ながら、今の段階ですぐにルール変更されたり、5類に変わったとしても、多くの医療機関が「自分のところでもすぐ診ます」ということになるのはまだ難しい。それでいいと思っているわけじゃないんですけれど、薬もある程度、重症化予防という形で使えるものがあるわけですから、早めに診断して早めに必要な人に渡せる状況を作っていかないと、このままお亡くなりになる方が増えていく。危機感は本当に持っています。