何が罪に? 曖昧な処罰範囲に批判も
国旗損壊に関する法律の制定は、高市総理の長年の悲願だ。

高市早苗 総理 (2026年1月)
「日本国旗を損壊しても全くお沙汰なし。変じゃないですか。外国国旗を汚したり破ったら、2年拘禁刑を受けるかもしれない。でも日本の国旗はどう扱ってもいい。それはおかしい」

2004年、中国・北京で開かれたサッカーアジアカップ、日本対中国の決勝戦。反日感情の高まりから日本の勝利後、中国のサポーターが日の丸を焼くなどした。
当時の高市氏のコラムには…

2004年8月 高市氏HPコラムより(現在は削除)
「国外での出来事とは言え、少なくとも国旗を燃やされた件については、外交ルートで一発きつくかまして欲しいものです。加えて日本の刑法に『自国民による国旗侮辱罪』も規定すべきだと考えています」
日本でも2008年、靖国神社で中国国籍の男が、参拝客から奪った日の丸を踏み付け竿を折り、器物損壊などの容疑で逮捕された事例がある。

自民党の野党時代には、高市氏が中心となり、国旗損壊罪を盛り込んだ刑法改正案を国会に提出したが、廃案に。

高市氏が総理に就任する際の日本維新の会との連立合意には、国旗損壊罪の制定が盛り込まれた。
議員立法で作ろうとしているその中身は…

「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により、公然と国旗を損壊し、除去し、又は汚損した者は、二年以下の拘禁刑または二十万円以下の罰金に処する」
これに対し、処罰の範囲が曖昧だという批判が上がった。

中道改革連合 階猛 幹事長
「駅前広場など人通りの多い場所で、自ら持参した国旗を引き裂いたり燃やしたり切り刻んだりする行為、国旗損壊罪に反対の立場を鮮明にするため行為に及んだ場合、処罰対象になるか」

自民党 塩崎彰久 衆院議員(法案提出者)
「構成要件には該当しうる。個別の事情・事案ごとに総合的に判断し、適用されるもの」
中道改革連合 階猛 幹事長
「処罰範囲が不明確」

国会に提出された資料には、国旗損壊罪に該当しうる具体的な事例が挙げられていた。
「公園や公道などで、国旗を勢いよく踏み付けて泥だらけにする場合」
「自室で自ら国旗を切り刻んで燃やしている状況をスマホで撮影し、その動画をライブ配信する場合」
一方で、お子様ランチの旗や、アニメ・ゲーム、AIで作られた国旗は損壊しても罪にはならないという。
他にも、該当しないとされるのが…

「日の丸が描かれているゴルフボールをわざと池ポチャさせた場合」
「国旗を新品の靴で踏み、何ら不潔にすることがない場合」
立憲民主党 塩村文夏 参院議員
「国旗を新品の靴で踏みつけて、不潔にしていないのであれば大丈夫。一体何なんですか」

自民党 塩崎彰久 衆院議員(法案提出者)
「新しい靴で間違って国旗を踏んでしまったという場合『国旗がダメージを受けてつらいな』と皆さんが思うかどうか考えたときに、それぐらいはいいのかなと」

立憲民主党 塩村文夏 参院議員
「古い靴で汚れなかったらOKなのか、いろんな疑問が出てきて、もうちょっと整理した方がいい。刑罰を科すものだから」
法案に反対する野党議員は…

立憲民主党 鬼木誠 参院議員
「元々の法律の作り付けが曖昧だからこそ、具体的に説明しようとすると、曖昧さが分かってしまう、拡大してしまう」
今後、法案は共同提出した国民民主党や参政党など野党の一部も賛成し、今の国会で成立する公算が大きい。

共同通信の世論調査では、法案が「必要」と答えたのが49.7%。「必要ではない」の42.3%を上回った。
ただ慎重意見は自民党内からも…

自民党 西田昌司 参院議員
「国旗を大切にしよう、損壊することはダメだということは賛成なんですが、罰則をつけてやるということが、いかがなものかなと」
岩屋毅前外務大臣は、衆議院本会議の採決を棄権した。

自民党 岩屋毅 前外務大臣
「国旗を尊重する意識は、自然な形で育まれるべきものであり、刑罰で強制されるべきものではない」














