山も田畑も、一面が雪に覆われた小谷村(おたりむら)。
冬の澄んだ静けさの中、スコップの音を響かせるのは農家の千國幸久(ちくに・ゆきひさ)さん。
村内では1月10日から根がついたまま雪の中で育てる「雪中キャベツ」の収穫が始まりました。
「いつもの年ならこんなスコップじゃとてもできないんですけど、金属のスコップで」
今年は雪が少なめで作業は楽だと言いますが、それでも湿った重い雪を掘り起こすのはひと苦労。

「キャベツが自分で凍らないように自分で糖分を出すんですよ、甘味が増してくるということとやわらかいですね」
甘さが売りのみずみずしいキャベツが、雪の下から次々と現れました。
収穫したものは、村内にあるJAの営農センターへ。

現在は14軒の農家がJAに出荷していて、ひと手間かけたキャベツは1キロ当たりおよそ300円、1玉600円前後で店頭に並びます。
(JA大北・小口爽真さん)「普通のキャベツと比べるとだいたい2倍から3倍ほどになってしまいますけどもそれ相応のおいしさがありますので、ありがたいことにたくさんお問い合わせをいただいておりまして、数がないものですぐには出せないんですけど、ほしい方に届くように頑張っていきます」
JAでは、1月末ごろまであわせて1万2,000玉の出荷を見込んでいて、主に大北地域の農産物直売所や道の駅などで販売されます。