③被疑者5名逮捕と取り調べ開始

最高検の了承を得て、12月5日、元理事長ら被疑者5名が逮捕され、翌6日にかけて、関係各所への捜索差押え(2回目)も行われました。

このとき、プレサンス社内にあったA氏の机から、田渕検事が本件犯行時にA氏に示したメモが押収されています。

12月6日、主任検事は応援検事にメールを送りました。その内容は  

明浄案件関係者各位

昨日、被疑者5名について、通常逮捕することができました。
内偵捜査、ガサ後の捜査が長く続きましたが、一つの節目を迎えたと思います。
本日の勾留が認められれば、泣いても笑っても残り約3週間という期限が区切られることになりますので、悔いのないように頑張るしかありません。
上級庁(最高)からは、色々御指導いただいており、本当に悪いやつの処分をどうするのかということを含め、早めの中間報告を求められており(来週11日頃!)、それまでに見極めを付けるところと、そこまで急がなくてもよいところ、などメリハリを付ける必要があります。

というものでした。

メール中に出てくる「本当に悪いやつ」とは、山岸さんのことです。

逮捕された被疑者5名は12月6日に勾留され、本格的な取り調べが始まりました。重要人物の一人とされた被疑者の取り調べは、応援検事の別の検事が担当しました。それまで否認していたその被疑者は、12月8日の取り調べで、応援検事に「どうしたらいいですか」と、どのように供述したらよいのか尋ねました。その結果、この日の取り調べで、最終的には、山岸さんが理事長個人に貸すことを知った上で金銭を支出したことを認める供述をするに至りました。応援検事はそのとき、「そうでしょ。今回の流れでそこが本当に聞きたかった訳」と発言しました。

田渕検事も、12月5日からA氏の取り調べにあたります。A氏は弁解録取手続で、被疑事実を否認していました。

12月6日、大阪拘置所の取調室で取り調べが行われました。田渕検事は、大阪地検特捜部が起こした証拠捏造事件を契機に策定された「検察の理念」を手にA氏に語りかけます。

無実の者を罰し、あるいは真犯人を逃し、処罰を免れさせることにならないように知力尽くせと、事案の真相解明に取り組めと、証拠をきちんとそろえなさいと、有利なものも不利なものも含めて。
被疑者・被告人の主張に耳を傾け、積極消極問わず、十分な証拠の収集把握に努め、冷静かつ多角的にその評価を行い。

そのあと、田渕検事は、「上級庁から厳しい目で見られるわけですよ」「だから、こうやって録音録画もしてるんですよ。過ち犯したりしないように、監視ですよ、監視、私の監視ですよ、これは。私の監視の道具、でもね、私ね、一つも気にしてないもん。だって、私、言ってること間違ってると思わないから」と言いました。

12月7日の取り調べで、田渕検事は、取調室内の机を強く叩き、大声で「なめんじゃねえよ」とA氏を怒鳴りました。録音録画の音声が割れるほどの大声でした。

別の場面でも、「検察の理念」を再びA氏に示しながら、「あなたの主張に耳を傾け、冷静かつ多角的にその評価を行う。今、これをやってるんだよ」「そのあなたが否認してるから、その理由をちゃんと聞いて、で、こうして何度も繰り返して聞いているのに、なんで説明しきれないんですか」と厳しい口調で発言しました。