特集はレオカルチャー、今回は独自の視点で日常の風景を切り取る金沢市在住のフォトグラファー・迎 崇(むかいたかし)さんです。
会社員から写真家に転身して丸5年、飛躍の年にしたいという年男の迎さんに密着。写真の楽しさも教えて頂きました。

フォトグラファー 迎 崇さん:「この欄干の模様とかすごく面白い。欄干の手すりの模様が・・・」

フォトグラファー 迎 崇さんとMRO松村玲郎キャスター(金沢市大野町)
何気なく見える川ですが・・・

迎さん:「幾何学模様というか、写真で一瞬で止めるとなかなか肉眼で見えないような模様が見えたりとかする」

迎さんが一瞬を切り取るとこうなります。

日常の中にある一瞬を捉えるフォトグラファー・迎崇さん。

金沢市内で開かれた迎さんの写真展「久遠」では地元・北陸の風景を中心にモノクロ写真22点が展示されました。

写真展「久遠」(金沢市西泉 フジカラーギャラリーかなざわ 2022年12月開催)

こちらは滋賀県長浜市の琵琶湖で撮影した作品。

まるで外国のよう

迎さん:「ちょうどこれは午後に撮影して、逆光で映し出された木のシルエットが美しいなと思って見ていた時に、お父さんがお子さんを2人連れて散歩だと思うんですけど・・・。シルエットに加えて家族の未来を見つめているような雰囲気に思えて撮りました」

来場者は:「とても素敵。これ一枚で物語がいろいろ想像できるような・・・」 来場者は:「何気ないところから美しい瞬間を切り取っている迎さんの写真がとても好きです」

モノクロ写真は「普遍的な時を表す」と語る迎さん

モノクロ写真は「普遍的な時を表す」ための手法だという迎さん。迎さんの地元・羽咋市の千里浜海岸を切り取った作品は。

迎さん:「確か撮ったのは夏だったと思うがすごく日差しが強くて、波打ち際の水面がキラキラと太陽を反射して輝いていたのでそこをちょっと表現してみたいなと」

地元・羽咋市千里浜海岸で撮影する迎さん
波の迫力が伝わってきます

1975年、羽咋市で生まれた迎さんは、写真好きだった祖父の影響を受け小学生の頃からカメラに親しんできました。関西の大学を卒業後、県内のIT系企業などで勤めてきましたが、フォトグラファーへの思いを捨てきれず独学で写真技術を学び42歳で転身を決意します。

迎さん:「今考えるとよく42歳で会社を辞めて独立したなと。役に立てることって何だろうと思った時に、身近にあったのが写真。これで何かできないかなとずっと思っていた」

迎さんのもうひとつの顔。それは建築写真家です。

建築写真を撮影する迎さん(ハチグラム 小松市島町)

この「建築写真」の存在こそが迎さんが転身にふみ切ったきっかけです。

迎さん:「建築士と出会って率直に食べていくためにどうしたらいいですかね?ということを聞いたら、ひとつの分野として建築写真があるよと。あまりそれを専門に撮っているカメラマンはそれほど多くないということを聞いて・・・」

独立当初は依頼が少なく不安で眠れないこともあったという迎さんですが、今では着実に顧客を開拓しています。

MRO松村玲郎キャスター:「Q.こういうふうに撮るというこだわりは?」

迎さん:「まず写真が傾かないようにして、センターの位置を確認。両サイドをバランスよく入れること。一般の人は常に自分の目線の高さで撮ることが多いと思うが見る人によっては違和感を感じたりする」

バランスの良い迎さんの建築写真

松村キャスター:「(背が高い)僕が撮ったらだいたい上から目線」

迎さん:「はい、バードビューのようになると思います・笑。撮影する時は生活する人の目線の高さで撮ることが大事です」

迎さん作成の心のこもったフォトブックは、家を依頼した建て主や工務店からも喜ばれるといいいます。