二次被害を起こさないため
伊東さんは、被害者支援では“話を聞く”ことに続いて、“二次被害”を起こさないことが大切だと言います。
(伊東秀彦さん)
「二次被害というのは、本当にいろんな場面で出てくるもので、SNSで心ない書き込みをされるとか、そういったことは分かりやすいところだと思うんですけれども、この二次被害を考える上で難しいところというのが、接する側の言葉に悪意がなかったとしても、被害者に二次被害が生じることがあります」
「一般的に、被害者の方に二次被害を与えないために避けた方がいいかなと思われる言葉としては、『同じような境遇の方はたくさんいます』と他の人とを比較したり、『時間が解決します』と言ったり、『泣かないで』とか、『あなたが命助かったのは幸いだったね』とか、『亡くなった方のために頑張りましょう』」
「これらは、一般的に避けた方がいいと言われる言葉で、気遣いや励ましから出る言葉だと思いますが、被害者によっては過酷、無責任、冷淡と受け取ることもありますので、この辺りは難しいところかなと思います」
(伊東秀彦さん)
「二次被害が生じがちな場面として、聞き手の価値観というのをその人にぶつけるという場面があります。これは特に社会的に立場が高いと言われる人だったり、立派と言われる人っていうのは見識が豊かなため、いろんなことを言ってしまいがちです」
「例えば息子さんが被害に遭った事案で、『あのような友人たちと付き合わせたのが悪かったんじゃないか』とか、『あの場所、ああいう場所は行けないよね』とか、被害者がそれを受け止めきれるかというと、平場の議論とは全然違う話になりますので」
「色々な人の死とか被害に触れると、ついつい聞き手も『その人の人生観』というのが出てくるところですが、それは必ずしも求められてるところではありません」
「被害者の方から、『被害者の人生観』だったり考えというのが出てくる場面もあります」
「例えば、加害者が憎くて憎くてしょうがない、絶対に許せない、これを聞き手として『場合によってはやはり、許しの精神も必要なんじゃないか』と思う場面があるかもしれませんが、そういうことではなく『その人の考えというのを吐き出している』、そのこと自体が意義があるんだ、ということで考えていただければと思いまして、頭ごなしに否定しないことは重要です」
「『被害者の方はこうなんじゃないか』と思い描いてる像というのがあると思うんですけれども、例えば『ずっと泣いてるんじゃないか』とか『働くこともできないんじゃないか』と」
「それは、あんまり強く思いすぎちゃうと逆にすぐに復帰したり、あるいは笑顔で頑張ってる人を見るとかえって不謹慎と捉えがちになると思うので、被害者の方というのは、かなり複雑で、多岐の苦しみの中でやっているんだということを理解していただければと思います」














