1994年3月、夢を追ってアメリカへ渡った日本人の青年が突如、強盗に銃で撃たれ命を落としました。

亡くなったのは、千葉県の伊東拓磨さん(19)。「本場のハリウッドで映画を学びたい」と夢に向かって進んでいた中で、事件によって断ち切られました。

【画像】拓磨さんが描いた『バック・トゥ・ザ・フューチャー』▶【第1話】から読む

男性の弟で、弁護士の伊東秀彦さんが6月24日、香川県高松市で開かれた講演会で、兄・拓磨さんを失った当時の心境を語りました。

あれから30年あまり。残された家族は、深い悲しみだけでなく、異国の法制度や周囲の何気ない言葉、そして終わりの見えない裁判とも戦い続けてきました。そして、自身が遺族の立場でありながら、弁護士として現在被害者支援に取り組んでいます。

伊東さんは、「犯罪被害者、遺族や関係者への支援」の在り方について、「大切なのは専門機関だけでなく、“多くの人が被害者を理解”することから始まる」と言います。

(伊東秀彦さん)
「(犯罪被害者の方については)決して行政や警察や弁護士等々の専門機関が理解すればいい、という問題ではなく、広く県民の方々の理解が不可欠だと思っています」

「まず犯罪被害者というのはどういう立場なのかというと、犯罪という他者からの身体的、財産的な暴力を受けることによって突然、日常人生を破壊された方を言います。これによって犯罪被害者は“突然異常事態”に陥ります」

「例えば生活面としては、昨日まで動いてた体が急に動かないとか、病院に行かないといけなくなる、仕事に急に行けない、そのために収入が低下するといったもののほか、人が亡くなった事案では、昨日まで隣にいた家族がいなくなるなど、予定してなかった葬式を急遽上げなければいけない、という事態が発生することになります」

【画像提供】伊東秀彦弁護士

(伊東秀彦さん)
「こういった内容は、支援をしていると目の当たりにするところで、職場で性被害にあって理不尽なことに出勤できなくなって収入がなくなり、女性として生活が困窮する、こういったケースも見ざるを得ないところです」

このほかにも、伊東さんは被害者本人だけではなく、その家族や関係者も当事者を支えるために精神的な負担を強いられていることなど、様々な面で影響を及ぼしていると言います。