事件を契機に伊東さんが「弁護士」の道に進んだ理由
伊東さんが事件の渦中で感じたのは、言葉にならない孤独と、法律という大きな壁の前での無力感でした。被害者遺族という立場から、伊東さんは「司法の分野で被害者支援に取り組む道」へと進みます。
(伊東秀彦さん)
「犯罪被害者としての経験をする中で実感したのが、法律の大きさです。いかにこっちが何を思ってどうしたいとしても、法治国家の下では法律に基づいて逮捕されたり裁判になったりということを身を持って実感しました」
「さらには、こういった法律が分からないストレスだったり、戸惑いというのも強く感じ、途中からはもう理解も半ば諦めたというところもあります。終始いつどこで何をやればいいのか分からず、迷子状態がずっと続いていたような状況でした」
「そこで、『自分としてもこういった方の力になりたい』というところで法律家の専門家を目指そうと思い、司法試験を受験しました。合格後に進路を考える中で、法律の専門家、実務家としては裁判官と検察官と弁護士がいますが、最初被害者として自分もお世話になったのは現地の検察官だったので、検察官ということも考えました」
「検察官の仕事はとても重要ですが、立場としては刑事手続きにおける公益の代表者というところになり、とても重要な意義があることですが、被害者のことだけを考えればいいという立場でもないということも、その時になんとなく分かってきました」
「私としては、より自由な立場から広く近く被害者の方に関わりたいと思っていたのと、その頃から被害者に関するいろんな立法を整える機運が高まっていました」
「例えば犯罪被害者基本法とか、そういった機運も高まっていたこともありまして、私自身『弁護士』を選択しました」
「平成17年(2005年)10月に弁護士登録して以来、殺人罪とか傷害致死罪、性犯罪、性暴力、交通犯罪などの裁判だったり、少年審判だったり、あるいは民事の損害賠償請求の代理といった『被害者支援』に当たっているところです」














