コロナ死者 9割超は60代以上 意識朦朧も…「もっと症状の重い人がいる」入院できず 

困難な状況となっている救急搬送。その影響は夜間の救急往診を行う「ファストドクター」にも及んでいます。この日、向かったのはコロナに感染した80代男性の自宅です。

医師「コロナ発症してから3回くらいぼーっとしたり、力が抜けちゃうようなことがあったと」
家族「目がふーって上がっていくんですよ、お父さんって呼んでも、全然分からなくて」

男性の家族は救急車を呼びましたが…

家族
「(救急隊が)探してくださった、入院できるところ。だけどもっと重い症状の人がいるから(病院が)とれなかったと」

搬送できる病院が見つからなかったため、救急隊はファストドクターに往診を依頼しました。

今、こうしたケースが増えていると代表の菊池医師は話します。

ファストドクター代表 菊池亮医師
「どうしても(病院が)見つからない場合は、往診やオンライン診療といった形で患者さんの症状を一旦おさめながら調整を続けるケースもあります。3、4日、長いところだと1週間ぐらい入院ができないケースもあります」

第8波では、全国の死者のうち60代以上が占める割合は全体の9割を超えています。

高齢者施設では、クラスターへの対応に追われていました。

杜の癒しハウス文京関口 山田渡施設長
「職員が(新型コロナに)なって、そのあとに利用者も熱が何人か続いて。職員も結構なってしまって」

東京・文京区にある「杜の癒しハウス文京関口」では、2022年12月、職員6人と入所者10人が感染。このうち5人の入所者は施設内での療養を余儀なくされました。

このため、食堂を閉鎖したり、職員の出入り口を分けたりして入所者や職員同士の接触を避けるようにしたということです。

山田施設長
「接触しないような形で(入所者には)全て部屋にいていただいて、食事を運ぶのとかも、部屋ですと1人1人の部屋に行かなければいけない。クラスターのときはその分、大変になってしまう

洗う必要のない使い捨ての食器を使用するなどして業務を効率化し、少ない職員でクラスターを乗り切りましたが、現場では緊張感が続いています。

山田施設長
「(職員より)高齢者の方が重症化リスクが高いので、私たちが持ち込まないようにというのは常に意識をして、(今後は)経験をいかしてクラスターにならないように。なってしまうかもしれないが、対応がすぐとれるように準備していきたい」