改築費用は25億円 保存への課題
見学の後には、参加者が意見や感想を交わす時間も設けられました。熊町小学校については、「震災と原発事故を学べる場所として、残すべき」という意見が多くあがりました。
参加者「防災意識の向上とか、そういった活動に必然的に繋がっていくと思う。あれだけの教材ってないのかなと思う」
大熊町も、熊町小学校を含む中間貯蔵施設内にある公共施設の保存や活用方法について、今年度から本格的に議論を始めています。協議会とワーキンググループを作り、今年度中にも3回ずつ議論の場を設ける予定です。見学会の後の議論では、保存を肯定的にとらえる声があった一方で、こんな意見も出ました。
参加者「保存コストをどう解消していくかは今後考えていくべきという話が出た」
課題として上がったのが、保存する場合の費用です。町の試算では、解体する場合、その費用はおよそ3億円。一方で、保存のために改築した場合は、およそ25億円かかると試算しています。また、保存を望んでいる木村さんですが、議論の進め方について、次のように話しました。
木村紀夫さん「残したことで傷つく人がいるっていうのはできれば避けたい。(町の)方針というものが、とりあえず残しましょう、将来的にどうするかをゆっくりゆっくり考えていきましょう、という結論になったらいいなと思ってます」
遠藤さんは、個人的な思いとともに、校舎を残す価値について、考える必要があると考えています。
遠藤さん「(残してほしい)気持ちだけではなくて、どういう価値があるか、どういうことが伝えられるかを自分なりに一生懸命考えてアピールしていきたい」
震災と原発事故から15年。その場にありつづけることで、被害を静かに伝えている熊町小学校。誰もが、後世に残す記憶や教訓の大切さを理解している一方で、目の前の課題にどう向き合っていくのか。議論と模索が続いています。

▽各地の震災遺構をめぐっては、費用面の課題とともに、残すことに負担を感じている人もいて、様々な立場から、時間をかけて議論することが必要です。大熊町では、保存する場合でもデジタルで保存するのか、校舎そのものを保存するのかなど、様々な視点で慎重に検討していきたいとしています。














