一見して電動アシスト自転車に見える「モペット」と呼ばれる乗り物が人気を集めています。便利な一方で、無免許運転や電動アシスト自転車を改造するなど、交通ルールを守らない人もいて事故が発生するなど問題になっています。どうすれば安全に使用することができるのでしょうか?販売店や通販サイトの対策を取材しました。

ペダルをこいでいないのに回転する後輪

■そもそも「モペット」とは

「モペット」とは、自転車のようなペダルがついている車体で、モーターのみでペダルをこがず「原付・バイク」としても走れるほか、モーターを使わず「自転車」としても走行できる乗り物です。「ペダル付き原動機付自転車」や「フル電動自転車」などとも呼ばれています。しかし、モーターの機能を切って「自転車」として走る場合でも、車体としては「原付」の扱いになるため、「原付」を利用する時と同じ以下のものが必要になります。

(警視庁の資料より)
①運転免許証
②ヘルメットの着用
③ナンバープレート
④自賠責保険への加入
⑤ライトやミラーなど保安基準の適合

これらの条件を全て満たさず公道を走行した場合、交通違反とみなされます。

2019年に警視庁に摘発されたモペット

■「無免許運転」による指導警告など360件

警察庁によると、2022年1月から9月の間に「モペット」が絡んで指導警告などがされたのは全国で780件。そのうち半分以上の360件が無免許運転でした。指導警告などを受けた件数で無免許運転の割合をほかの車体と比べてみると、新型モビリティとして注目を集めている電動キックボードが1割ほどとなっていて、無免許運転が半分以上を占める「モペット」は運転の際に運転免許証が必要だという認識が薄いことがわかります。