■それでもコロナと共に進む


音楽業界の向かう方向性が見えづらい中、焦りや恐怖心はないのか。HAGANEのメンバーに聞いてみた。

Uyuさん(ヴォーカル)
「正直焦ってます。めちゃくちゃ。このまま何か、こういう状況が続いて、中途半端な感じになっちゃって。何か見込みがつかないじゃないですか。焦ってもどうしたらいいとかっていうのがわからなくて焦ってます」

Mayto.さん(ギター)
「HAGANEはコロナっていう経験を経てすごく変わったなと思っていて、それまでは、すごく焦っていたバンドで、今一瞬を大事にしたいっていう思いがすごく強かったんです。コロナの状況を経て、今では自分たちだけじゃどうにもできないというか、やれることは限られているので、その中でベストな選択をして後悔をしないように生きていくしかないなと思っています」

こう話していた直後、メンバーのコロナ”濃厚接触”が確認され、予定されていた2022年最初のライブも出演はキャンセル、自宅待機を余儀なくされた。またしても“コロナの災厄”がバンドに降りかかったのだ。  

Sakuraさん(ギター)
「どうしても音楽って言葉で伝えるじゃないですか、飛沫を飛ばしてしまうじゃないですか。大切な家族とかもいますし、そういう中ですごい矛盾を覚えた、葛藤を覚えた期間でした」

Sayakaさん(ベース)
「コロナを通してメンバー個々の考えが変わって、5人が一緒にできなくなってしまうことがもしもあったら怖いなっていう気持ちは以前からありました。コロナがより身近になったことで人間関係とか、価値観を親しい人とすりあわせていくことへの難しさ、そこに本当にコロナの怖いところがあるなというのは再確認したところではありますね」

それでも復帰した2月のライブで彼女たちはファンの大きな、そして暖かい拍手に迎えられた。
2022年2月12日 赤羽ReNY HAGANEライブ
Sakuraさん(ギター)
「きょう、みんなとライブ演奏できてめちゃめちゃ楽しかったなって。このコロナの渦にかき回されるかもしれないですけど、それでもお客さんに一生懸命応えたいな、自分たちも、頑張って続けたいな、って思いました」

Uyuさん(ヴォーカル)
「鉄って叩けば叩くほど固くなるそうなんですね。だから私たちも最初は小さいし弱いけどどんどんどんどん叩かれて強くなっていくぜ!というのがHAGANEです」

今後も、「コロナとともに歩むバンド」として、前を向き続ける決意だ。