アメリカとイランは最終合意に至るのか ホワイトハウス内での権力闘争も…

小川彩佳キャスター:
アメリカのバンス副大統領は、日本時間の22日夜、スイスで記者会見を行い、今回の協議について「多くの進展があった」と述べました。

焦点となっていたイランの核開発問題については、イラン側がIAEA国際原子力機関の査察官の入国を認めたと明らかにした上で、早ければ週内にも査察に関する協議を始めるということです。

藤森祥平キャスター:
果たして、IAEAの査察も含めて、実効性のある協議、それから最終合意に至るのでしょうか。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
バンス副大統領の会見からは、進展が目立っているとは思えません。

アメリカは、「イランを再攻撃する」とイランに譲歩を迫っていますが、再攻撃を行うと原油の値段が上がります。イランもものすごく反発しているため再攻撃ができない。11月の中間選挙を控えており、アメリカも再攻撃に踏み切れない状況になっています。

一方イランは、ホルムズ海峡の再封鎖をやろうと思えばできます。イランからするとじわじわとアメリカを追い詰めていくという協議なので、時間がかかればかかるほどイランの方が有利になっていきます。

そうしているうちに、肝心の核問題は先送りという状況になっている構図が見えてきました。

藤森キャスター:
だからバンスさんが今「核問題」ついてアピールをしていたわけですよね。

小川キャスター:
アメリカが不利とも言えるこの状況ですが、覚書に署名したトランプ氏に対しては、与党の共和党内からも批判の声が出てきています。

ビル・キャシディ上院議員は18日SNSで、「ここ数十年で最悪の外交政策上の失策だ」と投稿しています。こうした国内からの声からも、トランプ大統領は、追い詰められているということなのでしょうか。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
共和党の上院議員からこういった発言が出ることは、非常に珍しいことですよね。

その背景には、ホワイトハウス内の権力闘争が見え隠れしているということです。

トランプ大統領からすると、この交渉をバンス副大統領にやらせて、仮にうまく行けば自分の功績になります。失敗すればバンス副大統領の責任ということになるので、トランプ大統領からするとそういった理由でバンス副大統領を起用しています。

バンス副大統領はそれを知っているため、ここでどのように立ち向かっていくかを悩んでいるところだと思います。

バンス副大統領もここで成果を上げ、次の大統領選挙に向かいたいということもあります。

ただ、元々バンス副大統領は、この戦争に慎重派でした。2月に開戦を決めた時のホワイトハウスの首脳会談に、イスラエルのネタニヤフ首相も来たのですが、そこでは、バンス副大統領は外されていたことが最近になって明らかになっています。

トランプ大統領とバンス副大統領の力関係というのが、この戦争の交渉、協議に影を落としているということが見えてきました。

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星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年