米軍、最大8割 ミサイル消耗で対中国戦略にリスクも

イランへの攻撃によって、アメリカは軍事力をどれほど消耗したのか。

4月末、議会の公聴会に出席したヘグセス国防長官は、野党議員の追及に激しく反論した。

民主党 ガラメンディ下院議員
「大統領は、またもアメリカを中東での戦争の泥沼に引きずり込んだ」

ヘグセス国防長官
「泥沼?敵に宣伝材料を与えるのか。恥を知れ」

アメリカのシンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)のマーク・カンシアン上級顧問は、今回のイラン攻撃でミサイルの保有数が大幅に減少したと分析した。

戦略国際問題研究所(CSIS)マーク・カンシアン上級顧問
「ミサイルを戦争前の数に戻すのに、1年から4年かかるでしょう。ミサイルの生産には時間がかかります。アメリカは多くの資金を投入し、生産能力を拡大しようとしていますが、それも時間がかかります」

CSISは、主要な7つのミサイルについて試算した。

敵の弾道ミサイルを捉え、地上から迎撃するミサイル「THAAD(サード)」や、今回の戦争で初めての実戦投入となった最新鋭の弾道ミサイル「PrSM(プリズム)」は、イラン攻撃前にアメリカが保有していた数のうち、最大で約8割を使用したとされる。

児童ら100数十人が犠牲となった小学校の攻撃に使われたとされる巡航ミサイル「トマホーク」は、3割ほど使用された可能性があるという。

これらは高いもので1発2870万ドル、日本円で約46億3000万円。使用したミサイルの総額は、250億ドル(4兆円以上)にのぼると推計している。

保有数の減少によって懸念されるというのが…

戦略国際問題研究所 マーク・カンシアン上級顧問
「ミサイルの保有数が元に戻るまでの間、西太平洋地域に隙ができてしまうのです。それがたくさんのリスクを生み出します」

カンシアン氏は、対中国戦略においてもリスクが生じていると指摘した。

戦略国際問題研究所 マーク・カンシアン上級顧問
「保有数が減ると、中国を攻撃する能力とともに、その地域にある米軍基地の防衛力が低下します。迎撃するためのミサイルがなくなることは、多くの中国のミサイルが撃ち込まれ、米軍基地やインフラへの被害が大きくなることを意味しています」