これからは「全員が全部のスキルをハイレベルでこなす世界」
「自分たちがコートの上で実際にやっているものは、『お互いのコミュニケーション』。それに質の高い回数の、地道な練習の積み重ね。一つずつ今自分たちにやれる目の前のところを徹底していく。そのために、コミュニケーションを自分たちがコートの中でしっかりお互いに喋ってやっていけば、チームは絶対に勝手に良くなる。コートの中で選手同士が喋るのなんてアスリートとしては当たり前のこと。自分たちが今、特別なこと(チーム作り)をしているかって言われたら、そういうわけじゃない。大会までの時間が無いなりにも、自分たちがやるべきことは毎日100%やれている。そこは自信を持っています」
チームを語る一方で、西田は自らに、チームに求める基準もさらに高めている。
「僕のレシーブの技術に関しては、自分が世界と戦う上での『一つの絶対的な強み(ストロングポイント)』として、コートの上で絶対にやらなければいけない部分。世界の他のオポジットたちとそのレシーブ力を比較してどうこうという部分では無い。ただディグへの強いこだわりが、自分の中に強くある。身長がないからとか、あるからとか、そういうのは言い訳にすぎない。レシーブ・ディグは体格なんて関係なしに、コートに入っている『全員が絶対にやらなければいけないこと』。
日本代表がこれから世界の2m超えの選手たちと本気で渡り合って戦っていくのに、コートに入っている『6人中6人、全員が、完璧にディフェンスができたら、それだけでチームとして絶対に強い』と思う。コートにいる『6人中6人、全員のサーブの威力が抜群に良かったら、それだけで世界を圧倒できる』はず。
これからの世界大会でのバレーはまさにそういうような『全員が全部のスキルをハイレベルでこなす世界』だと思う。『オポジットは点数を取るポジションだから、レシーブはやらなくていい』なんて理由は、チームにとっても自分にとっても1ミリも無い。もっとやらなければ、世界一には届かない。 その感覚が、今の自分を前へ押し出している。コートの中で、パワーだけじゃなくて、泥臭く点数を取る方法や、インテリジェンスあふれるプレーなど、色んなことがある。チームが世界で勝つために自分のプレーが手助けになればいい」
1年前、西田有志は“強さ”を疑った。
そして今も、その問いを自らの身体で追い続けている。
強さとは何か。
その答えを探す“再構築”は、静かに続いていく。

















