海がなくても!「陸上養殖」の技術とは

従来は、海面に生け簀やいかだなどの施設を並べ、魚介類や海藻類を人工的に育てて収穫する「海面養殖」が一般的でしたが、
今注目されているのが、水温や水質を人工管理して育てる「陸上養殖」です。
「陸上養殖」は▼気候変動による海水温の上昇や▼赤潮や自然災害のリスク▼海洋汚染問題などの影響を受けにくく、年間を通して育てられるというメリットがあります。

“海なし県”埼玉・神川町の山間にある、「株式会社さかなと」のサーモン養殖場を取材しました。

200平米ほどの農業用テントの中には、直径3m・深さ1mほどのコンパクトな生け簀が並んでいて、ひとつに約200尾のサーモンが泳いでいます。

この養殖を実現しているのが、同じ水をろ過して使い続ける「閉鎖循環型」という仕組みです。
水槽の中央から排出された水は、ろ過槽を通って再び水槽に戻ります。
2026年2月に養殖を始めた際に用意した11トンの水をほとんど減らさずに、不純物や毒素を除去しながら使い続けているそうです。

株式会社さかなと 鎌田奈津実代表取締役:
もともとサバの陸上養殖を“海なし県”埼玉で始めるということで事業がスタートしたんですが、回遊魚のサバを飼育するのは非常に難易度が高く、魚種の変更を検討して、サーモンを飼育するという形に至りました。
サバと比較して非常に高密度で飼育ができるというところと、サバの場合は水からあげて手で触るとすぐに弱ってしまいますが、サーモンは個体としての強さが非常にあります。

サーモンはサバに比べ活動量が低くストレスにも強いため、同じ養殖スペースで比べるとサバよりも多くの個体を育てることができ、管理もしやすいといいます。
水の循環ペースも少なく済むため、電気代も7分の1ほどに抑えられているそうです。
体長5cmほどだった稚魚は、約4か月で20cm~25cmほどと順調なペースで成長しています。ここで育てられているサーモンは、来年3月には約10倍の大きさに成長し、出荷される予定です。
株式会社さかなと 鎌田奈津実代表取締役:
我々は小さい規模で魚の養殖を行っていますので、一匹一匹の価値をしっかりと高めて伝えて販売していく必要があると考えております。
埼玉県産のサーモンとしてしっかりブランディングをして届けたいと考えております。














