なぜクスノキをわざわざ移植? その理由とは
広島市は今年度、このクスノキの移植やそれにともなう調査などに、約4570万円の予算を計上しています。なぜ、これほどの費用と手間をかけて、クスノキがここに移植されることになったのでしょうか。
広島市公園整備課の白松保幸課長は「丹下健三氏が『軸線』を意識して平和公園を設計された。その軸線の南側から原爆ドームを見たとき、背後にある建物を、長いスパンにはなるが樹木で遮蔽するため」と話します。

原爆資料館本館、原爆慰霊碑、原爆ドームは、南北軸の直線である「平和の軸線」上に配置されています。広島市は、資料館や慰霊碑から北側を望む際に、原爆ドーム以外の建物が見えない状態を「目指すべき姿」としています。

2022年には、原爆ドーム背後のエリアに、新しい建物を建てる際の高さ制限を設けました。一方で、既に建っているビルなどにはこの制限が適用されないことから、現在はドームの背後に、広島商工会議所ビル(今後解体予定)などが見える状態となっています。そこで、平和公園内の植栽で背景の建物を隠そうと、今回のクスノキの移植が決まったのです。














