東京が膨大な高齢者が住む都会に

東京への人口流出の主なきっかけは、大学進学と就職です。多くの若者が「地元には魅力的な仕事が少ない」と感じ、都会のライフスタイルに憧れを抱きます。

地元に就職先がないのは大きな問題です。しかし、企業の事務職で働くのが良い就職の形だという価値観も変えるべきではないでしょうか。

アメリカでは現場の肉体労働者の給料が急上昇しています。また、日本の地場産業の職人や農業は人手不足です。

加藤氏は、人口数百人、数千人のヨーロッパの小さな町でも、住民たちは「自分の町が世界一だ」と心から誇りに思っています。彼らは生まれた場所で働き、その土地のものを食べ、歴史を大切にすることに高いプライドを持っています。

日本の地方も、自分たちの町の魅力を掘り起こし、子どもたちにそのすばらしさを伝え続けることが重要です。地元への誇り(シビックプライド)を育むことが、若者の流出を食い止め、ひいては地域に固有の仕事を生み出すことにも繋がります。

ちなみに、東京の出生率は0.96と全国で最も低く、今後は地方から移り住んだ人々が一斉に高齢化することで、膨大な高齢者が住む都会になるのです。その結果、深刻な医療・介護問題を抱えることになります。「東京の危機」なのです。

構想日本・加藤秀樹代表

そんな今こそ、私たちは自分の住む町にプライドを持ち、その価値を再認識すべき時なのかもしれません。人口減少という数字に一喜一憂することなく、これを機に、社会のあり方や幸福の価値観そのものを見つめ直すこと。それこそが、日本の未来をより豊かにする鍵となるでしょう。