人口減少は自然なプロセス? 幸福度との関係
加藤氏によると、国の発展と人口動態には一定のパターンが見られます。インフラが整備され、子どもの死亡率が低下して寿命が延びると、人口は一時的に急増します。
やがて社会が成熟すると、人々は仕事や趣味といった個人の時間を優先するようになり、晩婚化や少子化が進むことで出生率が低下。高齢者の比率が高まり、人口は減少に転じます。これは多くの先進国が経験する自然な流れだと言えます。
また、国連が発表する世界幸福度調査では、フィンランド、デンマーク、アイスランドといった人口数百万人の国々が常に上位を占めています。このことから、国の規模や人口の多さが、必ずしも国民の幸福に直結するわけではないことがわかります。
「コンパクトな国」には、それならではの豊かさがあるのです。
本当に目を向けるべき「2つの構造的課題」 では、人口減少において何が本当に問題なのでしょうか。加藤氏は、解決すべき本質的な課題は次の2点にあると指摘します。
1. 急激な高齢化による世代間のアンバランス: 人口構成の中で高齢者の比率が急激に高まることで、社会保障制度などに歪みが生じること。
2. 東京への一極集中: 地方から東京へ若者が流出し続けることで、地方の活力が失われ、国全体のバランスが崩れてしまうこと。
実は、日本で将来人口が減ることは、1976年の時点ですでに予測されていました。それにもかかわらず、年金制度をはじめとする社会の仕組みは、人口が増え続けることを前提とした「右肩上がり神話」から抜け出せていません。
人口が減っているのに、いまだに新しい公共施設や道路、新幹線の延伸、さらには大学までが増設され続けている現状があります。これからは、古くから地域の公共空間であった寺社などをコミュニティの拠点として活用するなど、「規模の縮小」に合わせた発想の転換が求められています。














