研究の内容と主な知見

研究グループは、口腔内に発生した扁平上皮がん2002例の中から、孔道がんおよびその類似症例を23例収集しました。

次世代シークエンサーを用いた遺伝子解析技術と免疫組織化学染色を組み合わせ、孔道がんの病態について包括的に検討した結果、以下の重要な知見が得られました。

  • 87.5%の症例で、病気に関わる遺伝子に異常が検出された。

  • FAT1、NOTCH1、PIK3CA、CASP8などの遺伝子に異常が高頻度で見つかり、孔道癌に特徴的な遺伝子プロファイルが存在することが明らかとなった。

  • 一般的な扁平上皮がんで多く検出されるTP53、CDKN2Aの遺伝子異常の割合が低く、これが低い増殖活性やおとなしい見た目といった孔道がんの特徴につながっている可能性が示唆された。

つまり、孔道がんが「正常に見える」理由の一端が、遺伝子レベルの特異なパターンにある可能性が初めて示されたのです。