孔道がんとは何か

扁平上皮がんは、口腔内で最も発生頻度が高い悪性腫瘍であり、患者数は年々増加しています。

治療が遅れると、食べることや話すことに支障をきたして生活の質が低下するだけでなく、死亡率が上がることもあります。そのため早期発見・早期治療が極めて重要です。

孔道がんは、この扁平上皮がんの非常にまれな亜型で、扁平上皮がん全体の0.7〜2.7%程度に過ぎません。

最大の問題は、顕微鏡で見たときの細胞の形が正常の上皮細胞と酷似していて、専門の病理医(口腔病理医)であっても「がん」と診断することが非常に難しい点にあります。

その結果、見逃しや誤診が起こりやすく、「異常所見なし」として経過観察となるケースも少なくありません。

診断の遅れは病気の拡大や死亡率の上昇といった患者の不利益に直結します。しかし、発生頻度が極めて低いために症例の集積が難しく、孔道がんの分子病理学的特徴についてはこれまでほとんど解明されていませんでした。