札幌市へ要求も…止まらない「公共の場」でのアイヌ差別

地下通路は札幌市が管理している。市に対して札幌アイヌ協会は、今後パネル展を許可しないよう求めた。

だが、札幌市は…

札幌市 秋元克広市長(2025年10月)
「法的な立て付けとして明らかに違法状態でなければ、施設を利用することを認めざるを得ない」

すると2026年1月、パネル展の主催者は日本会議・北海道本部が発行する広報誌で、次のように明らかにした。

日本会議・北海道本部 広報誌
「展示会は、令和8年3月に開催できるよう予約ができました」

展示の目的については、「学習で知り得た史実を自信半分・不安半分でパネルにしただけで、何かを非難するものではない」としている。

3月のパネル展開催が迫るなか、山下さんたちは「これ以上、差別的なパネル展が開かれることを許してはならない」と札幌市に強く訴えた。

アイヌ民族 山下さん
「こういうパネル展示はやめてほしいという申し入れなんですよ」

札幌市の担当者
「札幌駅前通り地下広場の申し込みについては、公表しても良いと言われているもの以外については、お答えをしかねる」

市の担当者は、パネル展を許可したかどうかは、市から公表することはできないと繰り返した。

パネル展に反対する市民
「『開催できるよう予約ができました』と堂々と書いてある」

札幌市の担当者
「繰り返しですが、今後のことについてはお答えできない」

アイヌ民族 木村二三夫さん
「絶対止めなきゃだめ、やめさせなきゃだめ」
「アイヌ施策課っていうのは、誰のため、何のための政策室なの?」

札幌市の担当者
「もちろんアイヌの方々のために…」

アイヌ民族 木村さん
「アイヌのためにやっていないんじゃない。この結果、去年も今年も」

抗議の2日後、秋元市長はパネル展に対する見解を初めて示した。

札幌市 秋元市長
「アイヌの方々の先住性を疑問視したり、旧土人保護法について『至れり尽くせり』という一方的な評価を行うなど、これは札幌市の認識とは違う」

一方、差別に当たるかの判断は難しく、現時点でパネル展を拒む理由はないとした。

そして、パネル展は開かれた。

パネルの内容はほとんど変わらなかったが、アイヌが先住民族であることを否定するかのような内容は表現が変わっていた。

前回
「先住民とは言えないのではと思われます」
今回
「でも、アイヌは先住民???」

アイヌの男性は…

アイヌ民族 葛野次雄さん
「俺たちここにいた。この札幌にも、樺太にも千島にも、全道にいた」

展示を直接見ることを避けてきた山下さんが、意を決して会場に足を運んだ。

山下さんは、「アイヌは湿地を嫌い、開拓農民は湿地を選んだ」と書かれたパネルにも強い憤りを感じた。

水源から遠く、農耕に適さない土地をアイヌに割り当てたのは明治政府であるにもかかわらず、土地を望んだのはアイヌ自身だと主張するものだったからだ。

アイヌ民族 山下さん
「農耕に適さない土地を与えて『アイヌに土地を与えた』と言われてきた。それを『アイヌは湿地帯が嫌いだった』と書いてある。ああいう言い方をすること自体が差別。差別だと思います」

山下さんたちの反応を見て、主催者を問いただす人もいた。

アイヌ民族の支援者
「実際にアイヌの方で傷ついている方がいる」

アイヌの史実を学ぶ会 伊藤昌勝会長
「僕らそんなつもりでもちろんやっていないし、そんなところありますかね?素人の発表会だから、間違っていれば直しますよ」

アイヌ民族 山下さん
「あまりにもひどい」