今年3月、沖縄県名護市の辺野古沖で船が転覆した事故で亡くなった京都府の同志社国際高校の女子生徒の遺族が今月30日、東京都内で初めて会見を開きました。
事故は名護市の辺野古沖で3月16日に起きました。修学旅行で訪れていた同志社国際高校の生徒らが乗るボート「不屈」と「平和丸」の2隻が転覆。2年生の武石知華さん(当時17)と「不屈」の金井創船長(当時71)が亡くなりました。
生徒たちが平和学習の一環として乗っていた船は、アメリカ軍基地の移設に反対する市民団体「ヘリ基地反対協議会」が運航する、いわゆる「抗議船」でした。
武石さんの遺族は、事故を防ぐための適切な計画を立てないまま、生徒を乗せたなどとして、同志社国際高校の校長ら4人と「ヘリ基地反対協議会」の共同代表ら7人のあわせて11人を業務上過失致死傷などの疑いで刑事告訴。今月13日に中城海上保安部に受理されています。
午後3時に始まった会見で武石さんの父親は「あの日から4か月、なぜあんなに元気で一生懸命頑張っていた知華が命を失わなければならなかったのか。その理由について考え続ける日々でした」と、事故以来の4か月を振り返りました。
転覆事故については原因だけでなく、背景についても捜査や調査が進められています。
内閣府沖縄総合事務局は5月22日、事業登録を行っていないにもかかわらず、学校から謝礼を受け取っていたとして、死亡した金井船長を海上運送法違反の疑いで刑事告発。
もう一方の「平和丸」の船長については、金子国交大臣が同日の会見で、刑事事件への影響があるとして聞き取りには応じていないと明らかにし、事実確認が難しいとしています。
同志社国際高校を運営する「学校法人同志社」に対しては今年4月、文科省が現地調査。その結果、教員による現地の下見が一度も行われていなかったことや当日、波浪注意報が出ていたことを現場の教員が把握していなかったことなどが判明しました。文科省と京都府は学校側の「安全管理が著しく不適切だった」と結論付けています。
転覆事故を捜査しているのは海上保安庁であることから、武石さんの父親は、現場の海にいなかった高校の校長や船の運航団体の幹部の刑事責任を問うことはなかなか難しいと感じていたということで、「学校や現場にいなかった協議会の幹部は、誰が捜査をするのでしょうか。もしかすると誰も捜査しないまま終わってしまうのでは、そんな不安がずっとありました」と刑事告訴に至った思いを語りました。
そして、文科省が学校の安全管理について著しく不適切と認定したことを引き合いに、武石さんの父親は「誰から見ても明らかな安全管理の欠如があるにもかかわらず、それでも誰も刑事責任に問われない。それでは同じ事故がいつかまたどこかで繰り返されるのではと思いました。知華の事故をそんな前例にするわけにはいきません。この事故を船の船長1人の事故で終わらせないために、今回の告訴に踏み切りました」と述べました。
また、知華さんの母親は、四十九日までは自分が生きているかもわからないよう感じで過ごしていたと、当時の心境を明らかにしたうえで、今回の刑事告訴については「知華は学校が大好きだったので、学年主任の先生とか引率教員の先生を告訴するということがいいのかどうかを悩みながらだったのですが、それでもやっぱり知華の死というものに関してきちんと責任は取ってもらうべきだと思います。当たり前に守られなければいけない子供の命がずさんに扱われることのない未来を残してあげたいという思いで告訴という形に踏み切りました」と話しました。
武石さんの遺族からの刑事告訴を受け、第11管区海上保安本部は今月25日、同志社国際高校を家宅捜索しました。武石さんの父親は「夏休み中、あまり生徒への影響がない形で速やかに家宅捜索に入っていただいた。これに関しては非常に感謝しています。学校にはもちろん全面的に捜査に協力をしていただきたい」と、捜査についての感謝と協力への期待を口にしました。
【速報】「なぜ命を失わなければならなかったのか考え続ける日々」沖縄・辺野古沖転覆事故で死亡の女子高校生の遺族が初めて会見 同志社国際高校の校長や船の運航団体共同代表ら計11人を刑事告訴の思い語る














