ウクライナは南東部マリウポリから市民を避難させる「人道回廊」の設置でロシアと合意しましたが、ウクライナの副首相は、停戦が確保されず、避難が計画通り進んでいないと指摘しています。


ロシア軍が包囲するマリウポリからの避難の様子とされる映像。ロイター通信が取材したもので、女性や子ども、高齢者がマイクロバスなどに乗っていますが、車には侵攻を支持する「Z」の文字やロシア国旗が確認できます。

これに対し、ウクライナの副首相はSNSで「人道回廊は計画通り機能しなかった」と主張。「ロシア軍が停戦を確保できず、バスと救急車の待機地点まで人々を輸送できなかった」としています。

一方、停戦交渉をめぐりロシアのペスコフ大統領報道官は20日、合意に向けロシア側の立場を記した文書案をウクライナに提示したと明らかにしました。そのうえで「ボールは彼らの方にある。ウクライナ側の熱意は不十分だ」と強調しています。

ロシアとしては東部への攻勢を強めつつ、停戦交渉に向けた文書案も示し揺さぶる狙いもあるとみられます。