■給食も値上げ「モモ肉」を「ムネ肉」に変更


宮崎県学校給食会によりますと、4月から値上げしたのは、約2000品目の食材のうち、約450品目。値上げ幅は、平均10%前後にのぼります。

こうしたことから1食あたり3円、年間600円程度値上げする方針を決めました。

宮崎市高岡学校給食センター・高井頼彦所長
「(食材は)さらにこれからも高騰しそうな感じですね。調達ルートもいろいろ支障が出ていますから、これからも大変厳しい状況だと思いますし、そういった意味では、これまでにないような大きな波になっている」

愛知県豊橋市にある給食センターでは、給食費を値上げしないために、鶏のモモ肉をムネ肉に変えたり、ふりかけを出す回数を月に2回減らしたりするなどして、コストカットに取り組んでいます。

■乳業メーカー「廃業者が出ると思います」


乳業メーカーにも値上げの波は押し寄せています。新潟県・出雲崎町にあるメーカーでは、乳牛のエサに混ぜて使用するトウモロコシなどの穀物の多くを輸入に頼っていますが、原材料価格の高騰が続いているうえ、原油高に伴い、物流コストも上昇。一方で、市場に出回る牛乳の量は、余る状態が続いているため、商品の値上げは難しいそうです。

良寛牛乳・諸橋且委社長
「苦しくなるばっかりですよね。このままだと廃業者が出ると思いますよ」

■マイホーム400万円アップ エネルギー価格高騰が全般的な物価上昇の引き金に


値上げは食品だけでなく、マイホームにも及んでいます。首都圏を例にとると、一戸建ての平均価格は、2021年9月から2022年の3月で約400万円上昇しています。

富士ソーラーハウス・大澤正美社長
「今回のウクライナショックというものでは、(制裁で)ロシアの材料が入らない。壁に使っている合板で価格が8割増しという状態です」

木材価格だけではありません。ステンレスの原料である「ニッケル」は、ロシアが世界の生産量で3位。システムキッチンなどの価格にも影響が出始めています。

第一生命経済研究所の西濱徹氏は、さらにエネルギー価格の高騰が全般的な物価上昇につながると指摘します。

第一生命経済研究所・西濱徹主席エコノミスト
「エネルギーというのは当然ながら、エネルギーそのものの価格のみならず、日々例えば生活する中においてもそうですし、物を運ぶ、ありとあらゆる面で必要になりますね。そういう意味でやはり全般的な物価上昇の引き金の要因になっていくということは避けられない」